商船三井、出光タンカー向け新造LNG大型原油タンカーの長期用船契約を締結

商船三井が新しい航海を切り開く

株式会社商船三井（社長：橋本剛）が、出光タンカー株式会社（社長：稲垣富生）との間で新造LNG燃料を使用した大型原油タンカー（VLCC）に関する長期用船契約を締結しました。この契約に基づき、本船は国内の石油会社向けに定期的に運航されることになります。出光タンカーとの協力体制がより強化され、環境への配慮を持った海運業界の真髄を体現することが期待されています。

環境に優しいLNG燃料へのシフト

新造のVLCCは、川崎重工業株式会社が中国遠洋海運集団有限公司と提携している大連中遠海運川崎船舶工程有限公司（DACKS、中国大連）で建造され、2027年に竣工予定です。この船はLNG二元燃料に対応しており、従来の燃料油と比べて二酸化炭素の排出を約25～30％削減することが可能です。商船三井は、2050年までにネットゼロ・エミッションを実現するという「商船三井グループ環境ビジョン2.2」を設けており、LNG燃料の活用を通して持続可能な海運業界の実現に寄与する方針です。

LNG燃料船の豊富なラインアップ

商船三井は、2030年までにLNG/メタノール燃料船を90隻を新たに投入することを目指しています。今回契約に合ったVLCCを含め、すでに約40隻のLNG燃料船が手配されており、その中には6隻のVLCCが存在します。これにより、LNG燃料船の普及を推進し、より環境に優しい海運を実現していく考えです。

長期的なパートナーシップ

商船三井と出光タンカーの提携は、両社にとって新たな一歩です。出光タンカーが提供する原油の安定供給に加え、商船三井の環境配慮型の船舶により、両社の船舶運営がさらに強固なものとなるでしょう。これにより、持続可能な取引を通じて環境負荷を軽減し、業界全体の脱炭素化を進めていくことを目指しています。

未来の海運を見据えて

2030年から2050年までの環境目標を見据えたこれらの施策は、今後の海運業界の枠組みを大きく変える可能性を秘めています。商船三井の取り組みが他の企業にも波及し、より広範囲な脱炭素化の流れを促進することが期待されます。環境配慮型の技術や燃料がいかに未来の海運を形作るのか、私たちの目はますますそこに向いています。この新造VLCCの竣工は、その第一歩となることでしょう。