2024年J.D.パワー日本中古車セールス顧客満足度調査℠の結果
J.D.パワーは、2024年日本中古車セールス顧客満足度(Japan Used Vehicle Sales Satisfaction Index, UVSSI)調査の結果を発表しました。この調査は、過去1年間に中古車を購入した顧客を対象とし、販売店での顧客体験や購買行動に関する詳細なデータを収集するものです。調査は2009年以来行われており、複数の販売チャネルを対象とした重要な指標となっています。
調査の概況
2024年の調査結果では、総合満足度の平均スコアが678ポイントという結果に。これは750ポイント以上を目指す水準に対し、やや低めの結果です。また、ファクター別に見ると、「店舗施設・サポート」、「契約手続き」、「納車」が680ポイント、商談が676ポイントといった評価になりました。この結果からも、新車購入時の満足度(720ポイント)と比較すると、中古車購入者の満足度はかなり低いことが浮かび上がります。
中古車購入の傾向
最新の調査結果によると、多くの顧客は購入前にインターネットを活用して情報を収集し、実店舗への訪問が主流なことが分かります。中古車はそれぞれ独自の状態があり、顧客は特定の車を見つける楽しみを感じる一方、その過程での困難さも感じています。そのため、メーカーや販売店はウェブサイトで車の仕様や状況を詳しく紹介し、さらに中古車検索サイトが人気を博しています。結果として、92%の顧客が実際に販売店を訪問しており、70%の顧客は訪問前に検討を行っていることが確認されました。
セールス担当者の影響
商談におけるセールス担当者の説明は、顧客満足度に大きく影響を与える要素です。具体的な例を交えて説明を行った場合、その顧客の評価が838ポイントに達する一方、全体の平均は676ポイントと大きな差が見られました。特に、最新技術や機能についての説明、モデルの特性についての説明が評価されている一方で、こうした詳しい説明が行われている割合はおよそ2割以下で、その実施が進んでいない現状があります。
顧客満足とリピート率
中古車購入におけるリピート率は、全体で23%とやや低めの結果です。これは、メーカー系正規ディーラーが28%であるのに対し、独立系販売店が11%と低く、より良い顧客体験を求める声が多いことを反映しています。調査によれば、満足度が高い顧客の96%が次回も同じ店舗での購入を希望しているのに対し、満足度が低い顧客では41%にとどまっています。顧客体験を向上させることが、ビジネスの成功に寄与することが明らかになっています。
中古車ビジネスの未来
インターネットを活用した情報収集が進んでいるものの、実店舗での購入が依然として主流である中古車市場。来店顧客に対して質の高い説明を提供することが、顧客満足度向上の鍵と言えるでしょう。中古車市場拡大のためにも、各店舗での改善が期待されます。今後のJ.D.パワーの調査結果にも注目が集まります。