Tokyo Gendaiが新たに設けたアート支援賞
2023年9月、横浜で開催された国際的な現代アートフェア「Tokyo Gendai」において、アーティスト支援を目的とした新しい賞「Hana Artist Award」の受賞者が発表されました。この名誉あるアワードの初回受賞者には、Yoshiaki Inoue Galleryにて活動するアーティスト、中辻悦子氏が選ばれました。アワードは、フェアの「Hana ‘Flower’」セクターに参加する才能あるアーティストを対象としており、ArtStickerの支援を受けて、特別表彰と賞金約150万円(約10,000ドル)が授与されます。
中辻悦子氏の豊かなキャリア
中辻悦子氏は、広告デザイナーとしてのキャリアを経て、1963年に東京画廊で初の個展を開催。その後も各地で個展を開き続け、60年以上にわたり「ひとのかたち」をテーマにした多様な作品を発表してきました。彼女は、98年には現代版画コンクール展で大賞を受賞し、99年にブラティスラヴァで開催された世界絵本原画展グランプリに輝くなど、国際的にも高い評価を得ています。
今回のTokyo Gendaiでは、新作シリーズ「Where are you from? どこからきたの」を展示し、抽象と具象の融合によって深い人間の感情と存在感を表現しています。作品は点や線、色彩を駆使し、観る者に人間の内面的な美しさを改めて問いかけます。
優れた選考委員による評価
受賞の選考委員は、国際的な現代美術専門誌ArtReviewの編集長Mark Rappolt氏、Dib Bangkokのディレクター手塚美和子氏、滋賀県立美術館の保坂健二朗氏の3名。彼らは「中辻氏の作品に見られる素材やその取り扱いの洗練さ、自信の強さが際立っており、特に印象的な存在感を放っている」と評価しました。
アートフェアの魅力
第3回Tokyo Gendaiは、9月12日から14日までパシフィコ横浜で開催され、66のギャラリーが16カ国から参加しています。このフェアでは中辻悦子氏の受賞作品を含む世界水準の現代アートが展示され、さらにはアート業界のリーダーたちを招いたトークセッションや大型インスタレーションも行われる予定です。アートとその背後にあるストーリーを一緒に体験できる貴重な機会です。
公式ウェブサイトでは、詳細な情報や最新ニュースが随時更新されていますので、ぜひアクセスしてみてください:
Tokyo Gendai公式ウェブサイト
企業の文化振興への取り組み
Tokyo Gendaiは、SMBCグループの文化振興活動の一環としても注目されています。アートイベントや展示プロジェクトを通じ、現代アートを広めるために力を入れています。アーティストの活動支援や、アートに触れる機会を提供することで社会的価値の創出に寄与し続けています。これからの芸術と金融の新しい結びつきを追求する姿勢は、今後のアート界にさらなる影響を与えるでしょう。
このフェアは、ただの展示販売にとどまらず、日本と国際的なアートシーンを結ぶ重要な交流の場となっています。今後の活動や取り組みが楽しみです。