電力業界の信頼度を測るNPS調査結果が発表
NTTコム オンラインが実施した「電力業界NPSベンチマーク調査2025」の結果が披露され、東日本部門では東京ガス、西日本部門では九州電力がそれぞれ1位に選ばれました。この調査は、業界内での消費者の信頼度や満足度を測る重要な指標となっています。
NPSとは?
NPS(Net Promoter Score)は「友人や同僚に薦めたいか」という質問を基に、顧客のロイヤルティを計測する指標です。このスコアは、企業が顧客満足度を掌握するうえで非常に重要な役割を果たします。特に、電力業界においては、顧客の声を基にしたサービス改善が求められています。
調査結果の概要
今回の調査では、これまでの傾向が確認され、一般電気事業者のNPSが新電力を初めて上回るという結果がまとまりました。これは、一般電気事業者の信頼性が消費者から高く評価されるようになったことを示唆しています。特に、一般電気事業者はブランドイメージやサービスの安定性が強化されており、新電力に比べて顧客ロイヤルティが高まっていると評価されています。
東日本部門の詳細
東日本の電力会社8社の中で、NPS1位は東京ガス(スコアは-33.0)で、2位はENEOSでんき(-41.9)、3位は東京電力エナジーパートナー(-52.3)でした。全体のNPS平均は-52.8であり、トップ企業とボトム企業との差は39.5ポイントと大きな開きが見られます。特に東京ガスは、お客様の声に耳を傾ける姿勢や契約者の節電促進に高い評価が寄せられました。
西日本部門の詳細
西日本部門では、九州電力が1位(-41.7)、次いで大阪ガス(-42.2)、中部電力ミライズ(-42.9)という結果に。こちらのNPS平均は-49.6となり、トップ企業とボトム企業間の差は21.1ポイントで、東日本に比べて差が小さい状況です。九州電力も、企業の信頼性やサービスの安定性が評価されています。
ロイヤルティ向上のための課題
調査では、企業が消費者の声をどれだけ受け入れているかや、料金面の評価が低下していることが問題視されています。お客様の声に耳を傾ける姿勢や契約者のニーズに適した契約プランの提供が求められ、NPS向上にはこれらの要因が重要だとする結果が出ています。また、コールセンターの応対の良さも高く評価されています。
SDGsの認知度とNPSの関連
さらに、SDGsに対する取り組みの認知度も調査されました。東京ガスは、環境に配慮した姿勢が評価されており、SDGsに関して「よく知っている」と回答した人ほどNPSが高いという結果も示されました。認知経路としては、主にホームページからの情報収集が行われていることが明らかになりました。
結論
総じて、電力業界の企業は顧客ロイヤルティを向上させるために、信頼性やサービスの安定性、料金の適切さ、お客様の声を尊重する姿勢を強化することが不可欠です。今後もこのような調査によって業界全体の動向が注目されることになるでしょう。