高齢女性が主役のまちづくりが評価される
認定NPO法人SETが、公益社団法人程ヶ谷基金主催の第16回「男女共同参画・少子化に関する顕彰事業」で活動賞を受賞しました。この受賞は、特に高齢女性が中心となって運営する修学旅行民泊事業が高く評価された結果です。SETは2016年から修学旅行民泊を通じて、まちづくりの新たな形を提唱し、地域に貢献してきました。
賞の受賞内容
顕彰名は「第16回男女共同参画・少子化に関する顕彰事業」で、受賞部門は活動部門です。受賞団体としてのSETは、「つくりたいのは、みんなでつくるまち 〜陸前高田民泊〜」をテーマに、2025年12月12日に表彰されることが決定しました。これは、、男女共同参画や少子化問題に積極的な取り組みを行う団体への大きな評価となります。
選考の理由
選考委員会からは、特に「震災による甚大な影響を受けた地域において、高齢女性が主体的に関与し、若者と共に活動を展開している点」が評価されました。SETの取り組みは、単なる民泊事業に留まらず、防災教育や地域文化の継承にも寄与しています。若い世代に震災の教訓を伝えることができるこの事業は、男女共同参画の理念とも一致した独特な取り組みといえるでしょう。
SETの修学旅行民泊の概要
SETが提供する修学旅行民泊は、全国の中高生が地域住民の家庭に宿泊し、震災の教訓や地域文化を学ぶための教育プログラムです。宿泊先となる民泊家庭の多くは高齢者世帯であり、世代を超えた交流が可能です。このプログラムでは、生活や伝統を学ぶ機会を提供しながら、参加者に意義深い経験をもたらします。
10年間の活動を通じて、SUは延べ17,000人以上の中高生および大学生を受け入れ、地域経済への貢献が確認されております。事業開始以来、受け入れ家庭への経済的支払いは累計1億円を超えています。
陸前高田民泊の歴史と成長
このプロジェクトは2016年に始まりましたが、2019年には年間約4,000名を受け入れる規模に成長しました。新型コロナウイルスの影響で一時中断するも、2022年から活動を再開し、2024年にはコロナ前の水準に回復しました。現在でもこの取り組みは続いており、市内300以上の家庭が関与しています。陸前高田はこのプロジェクトを地域全体で育て、地域文化としても定着しています。
理事長の思い
理事長の三井俊介氏は、授賞式のスピーチで「震災当時、私は大学生で微力ながらSETを立ち上げ、ボランティア活動を開始しました。生徒たちが地域のおじいちゃんやおばあちゃんと深い関係を築く姿を見ることで、地域の絆が育まれると信じています。この受賞を契機に、さらに地域とのつながりを深めていきたい」と語りました。
結論
SETの修学旅行民泊事業は、高齢女性の力を活かした地域創造のモデルとして、他の地域でも展開されることが期待されています。男女共同参画を推進する社会の中で、地域の活性化に寄与できる取り組みをさらに広げ、若者と地域住民が共に成長する場を提供し続けたいとの願いが込められています。