2024年冬の東京都心におけるオフィスマーケットの最新動向分析
三幸エステート株式会社が発表した最新のオフィスマーケットレポートによると、2024年12月末時点の東京都心5区のオフィスビルにおける空室率及び潜在空室率が4ヵ月連続で低下しています。このデータは、千代田区、中央区、港区、新宿区、渋谷区という東京都心の主要エリアにおける579の大規模ビルを対象にした十分なサンプルから導かれています。
空室率と潜在空室率
2024年12月の空室率は3.62%となり、前月比で0.09ポイントの低下を示しています。特に新築や築浅のオフィスビルにおいては、入居テナントが増加していることから空室の消化が進んでいることが要因とされています。一方、潜在空室率も5.54%となり、こちらも前月より0.19ポイント減少しました。いずれも緩やかな低下傾向が続いており、今後もこの流れが続くことが期待されます。
募集賃料と募集面積
募集賃料は13ヵ月連続で上昇または横ばいを記録し、2021年5月以来29,000円/坪と、2020年以降で最高の値に達しました。2024年はエリアによっては賃貸オフィスが品薄状態となり、比較的強い賃料上昇圧力がかかっていると分析されています。また、募集面積については50万坪を下回る状況が続いており、特に人気エリアでは需給バランスが崩れつつあります。
ネット・アブソープションと新規供給
2024年には需要が新規供給を大幅に上回ることが予想されています。ネット・アブソープションとは、一定期間内のテナントの入居面積の増減を示す指標であり、2024年のこの数値が供給を超えることが期待されています。これはオフィス需要の拡大と新規供給の低さが背景にあり、空室率は直近1年間で4.97%から3.62%へと大幅に改善されました。
アナリストの見解
市場調査室のアナリストによると、一般的に新規供給が多くなる年は吸収需要が増えやすいですが、2024年は供給の少なさにも関わらず強い需要が見込まれています。これは新築ビルへの移転が活発であり、二次空室の発生が想定よりも少ないためだと考えられます。需要超過も2014年以降の高水準を記録し、オフィス需要においては依然として強さが見受けられます。
まとめ
2024年の東京都心オフィスマーケットは、空室率の低下、賃料の回復、需給のバランス改善など、明るい兆しを見せています。これにより、多くの企業が安心して新たなオフィス環境を探求できる状況が整いつつあることが強調されています。今後の市場の動向にも引き続き注目が必要でしょう。