中小企業DI低下
2024-09-30 14:41:41

中小企業の業況判断DIが2期ぶりに低下、景気の先行き不安が浮き彫りに

独立行政法人中小企業基盤整備機構が発表した第177回中小企業景況調査によると、2024年7-9月期の中小企業の業況判断DI( diffusion index)が全産業平均で▲17.1と、前期よりも1.4ポイント低下し、2期連続での減少を記録しました。特に、製造業は▲19.7と大きな落ち込みを見せ、卸売業、小売業、サービス業も負の値となっています。

景気動向の分析



この調査によると、製造業が最も影響を受けており、2期ぶりの低下が顕著です。一方で、建設業は今期の業況判断DIが▲11.7と、小幅ながら上昇しています。これに対し、卸売業は▲14.3、小売業は▲26.9、サービス業は▲10.5と厳しい状況が続いています。特に小売業の低下は目を引くもので、業績に対する懸念が強まっていることが伺えます。

さらに、原材料や商品仕入単価についても、全産業で68.7と前期から1.6ポイントの低下があり、すべての産業で価格が下がる傾向が示されています。

調査の実施方法



この調査は2024年9月1日を調査時点として行われ、全国の商工会及び商工会議所の経営指導員が訪問面接方式でデータを収集しました。調査対象は中小企業基本法に基づく全国の中小企業で、回答を得た企業の数は17,679社にのぼり、回答率は94.1%という高い数字を示しています。このように、多くの中小企業からの意見を反映した結果として、実態をより正確に把握することができています。

中小企業への支援策



中小企業基盤整備機構は、中小企業や小規模事業者、ベンチャー企業のイノベーションや地域経済の活性化を重視し、持続的な成長のためのさまざまな支援策を講じています。これには、経営に関する直接的な伴走型支援や人材育成、資金面での支援が含まれます。特に80%以上が小規模事業者であり、その内の約50%が個人事業主で占められている状況を踏まえて、きめ細やかな支援体制を整えています。

今後の見通し



今後の中小企業における業況の回復には、景気全体の動向と共に、各企業が直面している経営課題を解決するための取り組みが不可欠です。また、国や地方自治体からの支援策がどのように進展するかも注視されるポイントです。経済環境が厳しい中、中小企業が持続的に成長するためには、業況の改善に向けた具体的な施策と連携が期待されています。特に、原材料価格の動向や消費動向が今後の経済回復のカギを握ることが予想されます。


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会社情報

会社名
独立行政法人中小企業基盤整備機構
住所
東京都港区虎ノ門3-5-1虎ノ門37森ビル
電話番号
03-3433-8811

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