金沢での特別展示会:和田順顕の近代建築を偲ぶ
金沢工業大学が主催する特別展示「金沢ゆかりの建築家『和田順顕』―大正・昭和の金沢を彩った近代建築」が、2024年9月28日(土)から10月3日(木)まで、金沢市役所第二本庁舎の1階エントランスホールで行われます。この展示は、和田順顕という建築家の功績を称え、彼の設計した建築物に関する資料や設計図を通じて、彼の偉大な業績を振り返る内容になっています。
和田順顕のプロフィールとは
和田順顕は1889年に金沢に生まれ、1912年に東京美術学校(現・東京藝術大学)の図案科を卒業しました。当時、建築科が設けられていなかった美校での卒業生たちは、多くが製図工として活躍しましたが、和田はその中で建築家としての道を選びました。彼は数多くの素晴らしい建築物を手掛け、代表作としては「日本郵船横浜支店」(1935年)や「日本医師会館」(1930年)、さらにはタイ王国の大使公邸となった「濱口吉右衛門邸」(1932年)などがあります。
展示内容と目的
この特別展は、金沢工業大学建築アーカイヴス研究所の所蔵資料に基づいて構成されています。展示品には、和田順顕の建築作品に関する歴史的な写真や設計図が含まれており、彼の作品が大正・昭和の金沢にどのように影響を与えたのかを観覧者に伝えることを目的としています。
さらに、展示には金沢市内にある和田の設計による作品のリストも紹介されます。これにより、観覧者は彼の建築活動を幅広く理解し、数多くの作品が残された地域の貴重な歴史的背景も学ぶことができます。特に、和田の設計による石川県内の建築物も多く展示されるため、地元の方々にも親しみ深い内容となるでしょう。
和田の建築作品の現状
悲しいことに、和田が設計した数多くの作品は現存していません。しかし、この展示会を通じて彼の功績を顕彰し、当時の建築様式や社会背景を振り返ることができます。また、展示会は入場無料で、金沢の文化や歴史に対する関心を高める良い機会となると期待されています。
まとめ
金沢の文化的遺産を再評価するこの展示会は、ただの建築物の紹介にとどまらず、歴史の中での建築家の役割を考察する貴重な機会です。和田順顕が金沢に残した影響や、その作品を思い起こすことで、さらなる地域の文化振興につながることが期待されています。ぜひ、足を運んでみてはいかがでしょうか。
開催概要
- - 開催期間: 2024年9月28日(土)~10月3日(木)
- - 開館時間: 9時~17時(入場無料)
- - 会場: 金沢市役所第二本庁舎1階エントランスホール
- - 主催: 金沢市/金沢工業大学建築アーカイヴス研究所
また、同時開催として金沢市内の文化財建築物に関するパネル展も行われるため、こちらも合わせて楽しめる機会です。金沢の近代建築を深く理解できるこの展示会を、ぜひお見逃しなく!