岸田政権の経済政策評価、企業の意見は分かれる
岸田政権が誕生してからほぼ3年弱が経過し、最近行われた調査によると、これまでの経済政策に対する評価が明らかになりました。調査に参加した企業の多くは、岸田政権の取り組みには一定の評価を与えているものの、その内容によって意見が分かれる実情も顕在化しています。
調査概要
調査は帝国データバンクによって実施され、アンケートの期間は2024年9月6日から10日までの間で、合計1,924社の有効回答を集めました。評価は100点満点で行われ、平均点は49.3点と、及第点に満たない結果となりました。しかし、60点以上を付けた企業は約41.5%に上り、一定の支持があることは明らかです。
企業の規模別に見ると、評価は大企業が51.3%なのに対し、中小企業は40.1%、小規模企業は37.4%と少ない数字が示されています。このデータは、規模の大きな企業ほど岸田政権の政策に高い評価を付けていることを裏付けています。
評価されている政策
具体的な評価を聞いた回答者の中には、物価高対策や賃上げに肯定的な意見を持つ企業もいます。例えば、リース・賃貸業の企業は「株価が史上最高値を更新し、税収も過去最高を記録した。経済は悪くない」と評価をしています。また、金融業界からも「日銀との連携により、比較的マイルドな物価高に抑え込んでいる」とのポジティブな反応が寄せられています。
反対の意見
一方で、特に中小企業からは厳しい意見も寄せられています。例えば、化学品卸売業の企業は「大企業が利益を上げる一方で、中小企業は逆に状況が厳しくなっている」との見解を示し、評価は40点に留まっています。また、運輸・倉庫業の企業からは「岸田政権の取り組みが場当たり的で、経済効果を実感できない」との声もあがりました。こうした意見は、特に定額減税の効果を実感できないとの声と結びついており、政策の効果に疑問を持つ企業が多いことが窺えます。
定額減税の影響
具体的には、定額減税の効果が感じられなかったとの意見が目立ちます。飲食店からは「新NISAの導入や円安による株価上昇は評価するが、期待外れな面も多い」との意見が出ており、また化学品製造業では「インボイス制度の導入により事務処理が手間になったが、何か特別な成果はあったのか疑問に思う」との意見もあります。
まとめ
岸田政権の下で行われた経済政策には、一定の評価が存在するものの、特に中小企業からの不満は大きいという結果が浮かび上がりました。今後の政策に対する期待が高まる中で、次期総裁選に向けた動きが注目されます。経済の行く先に、不安と期待が交錯しています。