木造平屋建ての「ウェルネス館」着工
2023年9月8日、住友林業株式会社が手掛ける津田塾大学小平キャンパスの新しい施設、「ウェルネス館」の着工が発表されました。このプロジェクトは、学生の心身の健康と自己成長を助けるための拠点となることを目的にしています。延床面積約460㎡のこの建物は、相談室、休養室、医務室、メディテーションルーム、さらには多目的な研修室が備わっており、学生たちのさまざまなニーズに応える設計がなされています。作業は2026年3月の竣工を予定しており、その後4月からの利用が始まります。
自然との調和を重視した設計
新しい「ウェルネス館」は、キャンパスの豊かな自然と調和することを重視している点が特長です。木造平屋建てで設計されており、開口部からは森が見渡せる配置になっています。これによって、利用者は自然とのつながりを感じ、心を安らげることができます。また、建設現場に存在していた樹木は、学生とのワークショップを通して新たなアート作品として生まれ変わります。これにより、伝統的なキャンパスの歴史と学生のクリエイティブな活動が融合します。
建物全体の木材使用量は約127立方メートルに達し、炭素固定量としては約103トンの二酸化炭素を固定する効果があります。これにより、持続可能な建設に寄与する狙いもあります。
利用者を第一に考えた空間デザイン
ウェルネス館内は、学生の心の健康を支えるための空間を追求しています。エントランスホールを中心に、医務室や相談室、休養室、メディテーションルームなどが効率よく配置され、動線とゾーニングを考慮した設計になっています。また、多目的室は研修や公開講座に対応できるオープンな環境が整えられており、生活と学びの両方に貢献するような設計になっています。
施設内には、心静かな時間を過ごすためのメディテーションルームや、誰でも安心して使用できるオールジェンダートイレも完備。木材を職人的に活用した内装は、温かみがあり、リラックス効果を促進します。住友林業の筑波研究所の研究によれば、木目や香りが不安やストレスを軽減する効果があることが明らかにされています。これに基づき、ウェルネス館は心身の健康を支える理想的な空間として設計されています。
物件の基本情報
- - 工事名称:津田塾大学小平キャンパスウェルネス館新築工事
- - 所在地:東京都小平市津田町2-1-1
- - 用途:大学(保健管理施設)
- - 敷地面積:約76543.22㎡
- - 延床面積:460.17㎡(139.2坪)
- - 構造・階数:木造平屋建て(在来軸組工法)、45分準耐火構造
- - 高さ:約7.3m(最高高さ)
- - 着工:2025年9月8日
- - 竣工:2026年3月(予定)
- - 利用開始:2026年4月(予定)
- - 設計・施工:住友林業株式会社
津田塾大学は1900年に創立され、東京都小平市に位置します。現在在籍する学生数は約3,294人に及び、キャンパスとしては小平キャンパスと千駄ヶ谷キャンパスが存在します。また、住友林業グループは、持続可能な木造建築を推進しながら、木に関連する様々な事業を展開しています。
「ウェルネス館」は、学生たちが心身ともに健康で成長できる場として、今後の大学生活に大きな影響を与えることでしょう。