フリーランスと顧問税理士: 実態調査レポート
近年、日本でのフリーランスという働き方は増加しており、多くの人々が自由なスタイルで業務を行っています。しかし、一方で税務の面では課題も多く、その中でも顧問税理士との関係性は注目されています。最近の調査結果から、顧問税理士を持つフリーランスが全体の8.7%に過ぎないことが明らかになりました。
調査の背景
12月末が近づく中、多くのフリーランスが確定申告に向けて経費を整理する準備をしていると考えられます。会社員とは異なり、フリーランスは自分自身で税務処理を行う必要があるため、税理士のサポートが重要になる場面があります。このような状況の中で、フリーランスは税理士に対してどのように考えているのでしょうか。調査では、顧問税理士を持たない理由や税理士への信頼度などが探られました。
顧問税理士の必要性とその実態
最初の調査結果では、顧問税理士をつけているのはわずか8.7%、対して91.3%のフリーランスは顧問税理士を持たないことが分かりました。顧問税理士を持たない理由として、
61%が「必要がない」と回答し、24.4%が「顧問料が負担」との意見が見受けられました。多くのフリーランスは、自身で税務や確定申告について勉強を重ね、コストを抑える選択をしているのです。
顧問税理士への満足度
顧問税理士を任せているフリーランスに尋ねたところ、73.7%が「満足または問題ない」と回答。一方で、満足していない人たちからは、「初歩的な内容しか教えてもらえない」「頼りない」といった不満が挙げられています。このように、税理士との関係性においては「信頼性」が大いに影響を与えていることが浮き彫りになりました。
顧問報酬の現実
調査によると、フリーランスが顧問税理士に支払う年間報酬は94.2%が30万円未満。更に、10万円未満に収まるケースもほぼ半数を占めています。この数値はフリーランスが顧問税理士に対して安心感を持っているかどうかにも関係しています。価格が安いからといって選ぶだけではなく、税理士の専門性も考慮に入れるべきでしょう。
税理士への相談意欲
顧問税理士がいないフリーランスの48.1%が「税理士に質問したいと思う時がある」と回答。これは、税務に関する相談先が必要であることを示しています。また、顧問税理士がいるにも関わらず、53.3%のフリーランスが他の税理士の意見を聞きたくなる場面があるとのことです。フリーランスの多くが、気軽に相談できる税理士が身近に存在してほしいと考えていることが伺えます。
総所得金額と税理士の関与
最後に、フリーランスの総所得金額では、74.7%が500万円未満と大多数が少額の所得に抑えられています。興味深いことに、顧問税理士を持つフリーランスは相対的に多くの所得を得ており、税務に対する意識やサポートの必要性が高いことが示唆されます。
今後の展望
この調査を通じて、顧問税理士を持たないフリーランスが多い一方で、税理士への相談やサポートを必要としている実態が明らかになりました。今後、フリーランスが気軽に相談できる税理士の窓口が必要であり、そういったニーズに応えるための取り組みが求められています。相談室では新たに「個人事業主の経費相談室」を設立し、気軽に税理士に相談できるサービスを提供していく予定です。
参考リンク
この調査は12月上旬に実施され、対象は30代、40代を中心としたフリーランス173名です。顧問税理士の存在とその活用法について、今後のフリーランスの働き方にどう影響するのか注目です。