エッジAI推論システム「AIR-310」を徹底解剖
アドバンテック株式会社は、最新のエッジAI推論システム「AIR-310」を発表しました。これは、コンパクトな設計ながらも高性能なAI処理が行える革新的な製品であり、さまざまな業界において幅広く利用されていくことでしょう。
MXM GPUカードに対応したコンパクト設計
「AIR-310」は、MXMモジュールタイプのGPUカードを内蔵可能なコンパクトなエッジAI推論システムです。サイズは高さ1.5Uと、わずか215 x 225 x 55 mmの筐体に収まっています。これにより、設置スペースが限られる環境でも導入しやすくなっています。さらに、最新のインテル Core 第12/13/14世代プロセッサに対応しており、強力な演算性能を持つことが大きな特徴です。
多様な用途に対応するラインナップ
アドバンテックは、使用する用途によって異なる2モデルを提供しています。一つはベアボーンモデル「AIR-310-00A1U」で、ここではCPU、メモリ、ストレージといった基本構成の他に、AI推論専用のMXM GPUカードもユーザーが選択可能です。もう一つは、インテル Arc A370 GPUを標準装備した「AIR-310-005A1U」です。この多様性こそが、幅広い業界からのニーズに応える秘訣といえるでしょう。
拡張性と堅牢性の兼ね備え
「AIR-310」は、前面に3つのLANポート、4つのUSB 3.2ポートが備わっており、様々なデバイスとの接続が可能です。この豊富なI/Oにより、ビジョンAIアプリケーション用のカメラやセンサーなどとスムーズに連携できます。さらに、温度耐性や振動耐性に優れ、工業用途に適した堅牢性を誇ります。IEC規格にも適合しており、厳しい環境下でも安定した動作が期待できるのです。
マルチタスク処理に最適
このエッジAIシステムは、マルチタスクプロセスを効率的に実行できます。そのため、商業施設でのビジョンと音声モデルを統合した監視システムや、医療現場での高度な画像処理技術などにも応用されます。特に医療分野では、CTスキャンやX線画像の分析により、より迅速かつ正確な診断が可能になります。
積極的なソフトウェアサポート
「AIR-310」は、Windows 11やUbuntu 24.04などの主要なOSに対応し、より多様な業界で導入可能です。また、インテル OpenVINOやNVIDIA CUDA、TensorRTなどの開発環境にも対応しており、フレキシブルに開発を続けられます。さらに、「Edge AI SDK」と呼ばれる開発支援ツールが提供されており、ノーコードでのAI推論評価が可能です。これにより、開発プロセスの効率が大幅に向上します。
おわりに
アドバンテックの「AIR-310」は、そのコンパクトなデザインと高性能なAI処理能力により、多くの業界での応用が期待されています。特にエッジAI推論環境におけるその便利さは、今後ますます重要になるでしょう。新たな時代のAI開発を支えるこのシステムの進化から目が離せません。