旭酒造が「株式会社 獺祭」に社名変更
旭酒造株式会社は、2025年6月1日をもって社名を「株式会社 獺祭(DASSAI Inc.)」に変更すると発表しました。本社は山口県岩国市にあり、代表取締役社長は桜井一宏氏です。この社名変更は、グローバルブランドとしての認知度を高め、日本の伝統的なモノづくりを生かした戦略的な展開を目指すための重要な一歩です。
社名変更の背景
社名を「獺祭」に変更する理由は、世界市場でのブランド強化を図るためです。2023年9月に稼働を開始したニューヨークの酒蔵は、同社の新しい展開を象徴しています。昨年度の売上は195億円ですが、今後は売上の目標を1000億円に設定しており、その内訳は国内が300億円、海外が700億円と想定されています。
海外進出の取り組み
旭酒造は、海外市場の開拓に向けて多角的な取り組みを進めています。例えば、フランス・パリにおいて三ツ星シェフのヤニック・アレノ氏と協力し、新たな日本酒の出店「L’IZAKAYA DASSAI Yannick Alléno」を計画。また、アカデミー賞への初の日本酒協賛として、2023年3月の授賞式で獺祭を振る舞うことが決定しています。これにより、日本酒のブランドイメージを一新し、世界の舞台での存在感を高める狙いがあります。
大阪関西万博でも、オーストリア館内でウィーン・フィルハーモニック・テイストの音楽と共に提供される獺祭は、注目のイベントとなります。
国内での取り組み
国内では、旭酒造の新しい酒蔵(3号蔵)の着工が今年予定されており、2028年春の完成を目指しています。また、ニューヨークの酒蔵における販売は2024年に424万ドル、すなわち約6.6億円の売上を見込んでおり、今後の成長が期待されます。販路はニューヨークとカリフォルニアを中心に拡大していく予定です。
さらに、年間1000回のイベントを国内で実施し、日本酒をまだ試していない人々にもその魅力を知ってもらう機会を提供します。
売上の1%を寄付する取り組みも継続し、企業としての社会的責任を全うしていく方針です。
宇宙醸造プロジェクト
昨年12月に発表された「月面醸造計画」にも注目です。今年の打上げを計画しており、獺祭MOON-宇宙醸造の1本に関する詳細も近日中に発表仰せられるでしょう。この大胆なプロジェクトは、世界中の注目を集めること間違いありません。
旭酒造の新たな旅立ちは、日本酒業界に今後どのような影響を及ぼすのか、今から目が離せません。