M&A経験者の後悔と情報格差の実態
オーナーズ株式会社が実施した「M&Aトラブルと情報格差に関する調査」によると、M&Aを体験した経営者の大半が何らかのトラブルに直面し、さらに9割以上がM&A後に後悔を感じていることが明らかになりました。これは特に売り手と買い手の間の情報格差が主な要因とされています。
調査結果の概要
この調査は523人のM&A経験者を対象に行われ、彼らが直面したトラブルや後悔の原因が浮き彫りになりました。
- - トラブル経験: 過半数の51.8%の人が何らかのトラブルを経験。
- - 後悔の原因: 最大の後悔は「契約交渉の不備」(34.0%)、次いで「専門家の意見不足」(31.0%)、そして「買い手企業の情報不足」(25.0%)でした。
- - 情報の不足感: M&A実施時に十分な情報が得られたと感じた人はわずか4割未満でした。
これらの結果は、実際に体験した経営者からの直接の声に基づいています。調査を受けた方々の多くが、M&Aがうまくいかなかった理由として、特に事前の情報不足や経験の差を挙げています。
トラブル内容と情報格差
特に多く報告されたトラブルは、経営者保証の解除が拒否されたケース(29%)、価格の引き下げ要求(23.5%)、そして取引後の損害賠償請求(19.5%)でした。これらのトラブルは、事前の情報収集や適切な交渉が不足していたことに起因していると考えられます。
さらに、73.0%の人々が売り手と買い手間の情報格差を実感しており、この情報の不均衡がどれほどのリスクを伴うかを物語っています。特に、買い手側が過去にM&A経験があり、情報を持っていることが多かったため、売り手側は交渉において不利な立場に立たされることが多いのです。
知識不足とその影響
知識不足によって判断を迷ったことがあると答えた経営者の中で最も多かったのは、買い手企業の信頼性に対して判断に困った(31.5%)という声でした。これに続き、契約条件に不安があった(31%)、従業員への影響が読めなかった(26%)という回答も目立ちました。
情報収集手段
M&A検討時の情報収集は、顧問税理士や会計士など専門家に相談することが最も多く、知人や経営者仲間に相談するケースも多かったです。応答者の42.5%が専門家への相談を信頼できる情報源として挙げました。
オーナーズの取り組みと今後
オーナーズ株式会社の代表取締役、作田隆吉氏は「今回の調査から、M&Aの実行に当たっては多くの経営者が情報不足や経験格差に悩み、その結果、契約トラブルや後悔につながっていることが明らかになった」とコメントしています。この発言は、特に売り手側における情報の非対称性のリスクを強調しており、オーナーズが展開するM&Aサービス『RISONAL(リソナル)』は、この情報格差を埋めるための取り組みとして注目されています。
オーナーズでは、売り手の利益を最大限守るために、専門的な支援を行っており、契約条件の交渉や買い手企業の信頼性を評価する手助けをしています。M&Aは経営者にとって大きな決断であり、正しい情報をもって適切な判断を下すことが不可欠です。
結論
M&Aは企業にとって可能性を広げる重要な選択肢である一方、売り手が適切な情報を持たず不利な立場に立つことから、想定外の結末を迎えることがあることが調査から明らかになりました。経営者が後悔のないM&Aを実現するために、情報の活用と専門家のアドバイスが助けとなるでしょう。