離職リスクとワークエンゲージメントの関係を探る調査結果
株式会社ドリームホップは、ストレスチェックのビッグデータを基に、離職する労働者と在職者のワークエンゲージメントに関する調査を行いました。この結果、従来の考え方を覆す新たな知見が見えてきました。特に、エンゲージメントが離職リスクにどのように影響するのか、その奥深い関係性が浮き彫りになりました。
調査の背景と目的
ドリームホップは、ストレスチェックを法令に基づく義務から一歩進め、結果を利用して職場環境の改善に挑んでいます。人材の流動化が進む現代において、企業は優秀な人材を維持し、活躍してもらう必要があります。本調査の目的は、従業員の職場定着を実現するための具体的なデータと指針を提供することにあります。
調査概要
調査テーマ
今回の調査は、在職者とストレスチェック実施後1年以内に離職した労働者のストレス要因を比較し、職場定着の因子を探ることをテーマとしました。
データ収集方法
ストレスチェックは2019年から2022年の間に実施され、105社から取得したデータが用いられました。対象者は在職者約3700人と、離職者約25000人です。分析には、ストレス内容に関するクロス集計や多変量分散分析が行われました。
調査結果
本調査において、興味深い結果がいくつか確認されました。離職者群は、ワークエンゲージメントに対して低いストレスを感じる傾向がありました。つまり、近い将来に離職する可能性のある労働者は、逆に高いエンゲージメントを示していることがわかりました。このことは、エンゲージメントの内容を見極める重要性を教えてくれます。
一方で、在職者はエンゲージメントに対して強いストレスを感じている場合が多く、これが長期的に勤続する労働者のパフォーマンスにつながらない要因となっている可能性があります。エンゲージメントと離職リスクの関係性について新たな視点を与える結果が得られたのです。
離職につながるストレス要因
調査では、離職者群が特にストレスを強く感じている要因として、「雇用の安定性」「葛藤」「働きがい」「感情負担」などが挙げられました。これらの要因が高まることで、離職リスクが増加することが明らかとなりました。
さらに、職場環境が働きやすくなることで、従業員の職場への愛着が深まり、定着率が向上する可能性が考えられます。この結果は、企業が従業員をマネジメントする上での貴重な示唆となります。
今後の展開
ドリームホップは、今回の調査結果を活かし、新たな人事マネジメントの方向性を提案していきます。ストレスチェックツール「ORIZIN」に加え、月次調査を行うパルスサーベイ「Res-Q」、心理的負担を可視化する「ドリームホップ心理相関図®」などを提供し、企業がより良い職場環境を構築できるよう支援します。
この調査結果についての詳細な解説が、2025年4月22日(火)に公開予定です。今後、企業における従業員定着のための具体的な解決策が提供されることが期待されています。
【株式会社ドリームホップについて】
ドリームホップは、サブスクリプション型の業務システムを提供しているピー・シー・エー株式会社の100%子会社です。ストレスチェック等のサービスを通じ、企業の生産性向上を支援しています。