自治体防災DXの未来図を描く
2023年10月16日、多くの自治体職員や関係者が集い、一般社団法人自治体DX推進協議会が主催するオンラインセミナーが開催されました。このセミナーは、全国545自治体を対象とした「令和6年度防災DX実態調査」の結果を元に、防災におけるデジタルトランスフォーメーション、またはDXの現状と課題を探るものでした。
市民協働プラットフォーム「My City Report for citizens」の役割
セミナーでは、特に株式会社アーバンエックステクノロジーズが提供する市民協働プラットフォーム「My City Report for citizens(略称: MCR)」について紹介されました。MCRは、市民がスマートフォンを用いて地域の問題を報告し、自治体と共有する仕組みです。このプラットフォームを通じて、市民は地域社会の課題解決に直接参与することが可能になります。
MCRは単なる報告ツールに留まらず、自治体も市民の声を受けて問題解決に取り組むきっかけとなります。市民からの情報に基づいて地域のNPOや町内会と協力し、実効性ある対応が求められます。
災害時の情報収集ツールとしての機能
災害が発生した際、MCRはリアルタイムで情報を収集できる能力を発揮します。市民が被害状況を迅速に報告することで、自治体は迅速な対応を策定できます。特に、投稿には写真と位置情報が含まれるため、被害の状況を視覚的に把握しやすくなります。
また、災害時には自治体職員が管理者レポートを通じて情報を整理し、内部での意思決定を迅速に行うこともできます。このようにして、MCRは災害対策の効率化に貢献しています。
防災力を高めるための連携
防災には自助、共助、公助のしっかりとした連携が求められます。MCRを利用することで、市民協働による防災活動が具体的な形になり、コミュニティの防災力向上に寄与します。参加したプレゼンターは、MCRを通じて得られる「市民が支える地域の防災」を提案しました。
登壇者プロファイル
株式会社アーバンエックステクノロジーズの谷本真一氏は、自治体におけるデジタルトランスフォーメーションの専門家です。福岡での様々な業務を経て、スタートアップ支援に従事し、最終的には防災プラットフォームの開発に携わることとなりました。彼の経験と知識が、今後の防災DXの進展に大きく寄与することが期待されています。
参加者の声
参加者は、全国的な視点からの調査結果や具体例を聞けたことに感謝し、今後の地方自治体におけるDX推進の重要性を再確認しました。また、セミナーの後には質問コーナーも設けられ、参加者同士の活発な意見交換が行われました。
おわりに
未来の防災は、市民と自治体の協力によって形作られます。MCRのような新しいツールが、地域の問題を解決する手助けをし、強固な防災体制を築くことにつながるのです。今後も自治体DXの取り組みが進む中で、私たちはより安全な社会に向けて進んでいくでしょう。