旭化成が開発した新感光性ドライフィルム「サンフォート TAシリーズ」
旭化成株式会社は、2025年5月に新たな感光性ドライフィルム「サンフォート TAシリーズ」を発表しました。この製品は特にAIサーバーなどの先進的な半導体パッケージの製造において重要な役割を果たすことが期待されています。感光性ドライフィルムは、同社のエレクトロニクス部門の重要な製品群の一つであり、次世代半導体市場の急速な成長に応えるために開発されました。
TAシリーズの特長と利点
TAシリーズは、従来のStepper露光機だけでなく、LDI(レーザーダイレクトイメージング)露光機にも対応しており、どちらの露光方式でも高精細な解像性を実現しています。これにより、パッケージング工程における基板上の微細回路パターンを形成する能力が向上し、半導体のパフォーマンスをさらに引き上げることができます。
特に、次世代半導体パッケージに求められる高度な微細配線形成技術を実現するためには、パネルサイズの大型化や多層化が不可欠です。これに伴い、高い解像度と取り扱いの簡便性を兼ね備えた感光性ドライフィルムの重要性が増しています。TAシリーズは、これらのニーズに応じた製品設計が施されており、従来、液状レジストが主流であった微細配線形成の領域にも進出することが可能です。
感光性ドライフィルムの進化
長年の研究開発に基づいているTAシリーズは、特に再配線層(RDL)形成が求められる4µmピッチデザインに対し、LDI露光を用いて1.0µmのレジスト幅のパターンを形成できる能力を持っています。この技術により、先進的なパネルレベルパッケージングにも対応できる微細配線形成が可能となります。
また、TAシリーズの最大の強みは、パネル適合性や簡便な取り扱い、基板の両面での同時処理など、多くの利点を兼ね備えている点です。これにより、従来のレジストよりも効率的な製造プロセスが実現します。
今後の展望
旭化成では、中期経営計画『2027 ~Trailblaze Together~』においてエレクトロニクス事業を重点成長分野として位置づけており、TAシリーズによってさらなる技術革新を図る予定です。また、「サンフォート」を通じて、パネルレベルパッケージング技術の開発に引き続き貢献する方針です。
この新規感光性ドライフィルムは、今後の半導体産業の進化にとって重要な役割を果たすことでしょう。魅力ある技術革新が進む中、旭化成の取り組みから目が離せません。