和歌山市が電動サイクルシェアリングサービスを開始
和歌山市において、タクシーやバスの運送を手掛けるユタカ交通が、OpenStreet株式会社との協力により電動サイクルに関する新たなシェアリングサービスをスタートしました。このサービスは7月18日に発表され、和歌山市の観光振興や公共交通の利便性向上を目指すものです。
連携協定の締結
ユタカ交通、OpenStreet、そして和歌山市の三者は、連携協定を結び、公共の場や商業エリアへのステーション設置を加速させることとなりました。この協定により、観光地へのアクセス向上、自動車では難しい狭い路地や商店街への集客を図り、地域活性化を実現しようとしています。
電動サイクルシェアリングの背景
ユタカ交通は、2024年6月1日に電動アシスト自転車のステーションを複数設置し、シェアリングを開始しました。そして今回、glafit株式会社とOpenStreetが共同開発した「電動サイクル」が新たに導入され、千葉、埼玉、大阪に続く全国4番目のサービスエリアとなります。
ユタカ交通の代表取締役、豊田英三氏は記者会見で、和歌山市のモビリティメーカーglafitに誇りを持ち、「これからも和歌山市をものづくりの町として発展させたい」という期待を表明しました。この電動サイクルの導入によって地域の観光促進や日常の生活のリズムが変わることが期待されています。
ラストワンマイルの課題解決
和歌山市では、鉄道駅やバス停から目的地までのアクセスが課題となっています。市内利用者の調査によれば、公共交通のサービスに対する不満が多く見られました。ここで電動サイクルが活用され、鉄道やバスと組み合わせて使う新たな移動手段として注目されています。
シェアサイクルは、公共交通の補完機能として、利用者にとって手軽で迅速な移動を提供します。また、和歌山市は「コンパクトシティ」の実現を目指し、交通手段の多様性を進めていることも、この取り組みの背景にあります。
電動サイクルの特徴
この新しい電動サイクルは、全自動でペダルを漕ぐ必要がなく、最大で時速20キロメートルで走行可能です。16歳以上であれば誰でも運転することができ、免許も不要とのこと。さらに歩道可モードを選択すれば、歩道を通行することも可能です。初めての利用者でも安心して扱える設計がされています。
利用には、HELLO CYCLINGというアプリを通じて予約や決済を行うことが求められます。このアプリは、全国のレンタルステーション情報を確認するほか、交通ルールについての学習コンテンツも提供しています。実際に20人以上の利用者が、ストレスなく体験できることに成功したとのことです。
今後の展望
ユタカ交通は今後も、利用者からの意見を基に、地域産業の活性化やより良いサービス提供を目指してまいります。観光客も含め、誰もが便利に使える交通手段として、このシェアサイクルを活用していく方向です。
このように、和歌山市における電動サイクルの導入は、観光振興だけでなく、地域の交通環境を大きく変える可能性を秘めています。