ごみ拾いウォーキングの実証実験
一般社団法人うみらいふは、2024年に新潟で行われた海洋ごみ対策の一環として、「ごみ拾いウォーキング」が持つストレスや気分の変化を評価する実証実験を発表しました。この研究は、海と日本プロジェクトin新潟実行委員会および新潟医療福祉大学の佐藤大輔教授と協力して行われました。
実証実験の背景と目的
本実験は特に「ごみ拾いウォーキング」が認知抑制機能と気分に与える影響を明らかにすることを目的としています。今回、大分市キャンプ協会の協力のもと「高崎山ハイキングwith清掃登山」という特別プログラムが組まれ、参加者は30分のウォーキングを通じてごみを拾いました。
イベントの詳細
- - 日程: 2024年11月23日(土・祝)
- - 実施場所: 銭亀峠駐車場から高崎山南登山口
- - 参加人数: 10代から60代までの男女10名
- - 協力団体: 大分市キャンプ協会
測定方法
参加者はウォーキングの前後に二つの主要な項目を測定しました。
1.
認知抑制機能: ストップシグナル反応時間を計測するアプリを使用し、認知機能の変化を調べました。
2.
気分の変化: TDMS(二次元気分尺度)シートによって、ウォーキング前後の気分の変化を記録しました。
結果と考察
実験の結果、認知抑制機能については、参加者10名中4名が効果を示しました。また、気分の変化では、参加者のうち9名が快適度の向上を実感したとのことです。この結果から、ごみ拾いは単なる環境保護活動ではなく、参加者の精神的な健康にも寄与している可能性があります。効果には個人差があるものの、リラックス効果や活動的な気持ちへの変化が確認されました。
参加者の声
実験後、参加者からは以下のような感想が寄せられました。
- - 「雨で気分が憂鬱だったけれど、ごみ拾いの後は気分が落ち着きリラックスできた。」 (40代女性)
- - 「身体を動かす目的で参加したが、実際にはすっきりした気持ちになれた。」 (60代女性)
今後の展望
一般社団法人うみらいふは、次世代に美しい海を引き継ぐため、県民の海洋ごみに対する関心を高めることを目指しています。自発的なごみ拾いや周囲への啓発活動を通じて、海洋問題への意識を高めていく予定です。
さらに、本実証実験を通じて得られた結果は、海と日本プロジェクト「CHANGE FOR THE BLUE」の一環として、今後の活動に役立てていくことが期待されます。日本財団の取り組みと共に、参加者一人ひとりが海洋ごみ問題を「自分ごと」として捉え、行動に移すことが求められています。