自動車所有の現状と変化:サブスクやカーリースの利用意向、消費者タイプ別分析
近年、自動車のサブスクリプションサービスや個人向けカーリースの利用が拡大しています。こうした状況を背景に、NTTコム オンライン・マーケティング・ソリューション株式会社は、「自動車の所有と利用に関する調査」を実施しました。本調査では、自動車の所有や利用に関する意識、今後の所有意向、そして消費者タイプ別の特徴を分析しています。
自動車所有率は依然高いものの、サブスクやカーリース利用は低い
調査結果によると、自動車を所有している割合は74.4%と、依然として高いことがわかりました。一方で、自動車のサブスクリプションサービスやカーリースで所有している人はわずか1.4%にとどまりました。また、以前に自動車を所有していたが現在は所有していない人は9.1%という結果でした。
自動車を手放した理由:維持費の高騰や生活の変化が影響
以前は自動車を所有していたものの、現在は所有していない人に対し、その理由を調査したところ、「就職・転勤・転職で自動車が不要になった」、「自動車に乗る機会がなくなった」といった理由が上位に挙げられました。また、「税金やメンテナンス、保険などの維持費が高いため」、「経済状況が変化した」といった理由も、多くの人が挙げていることがわかりました。
今後の自動車所有意向:サブスクやカーリースへの関心は高まる
今後の自動車所有意向について調査した結果、現在自動車を所有している人の94.5%は、今後も自動車を所有したいと考えていることがわかりました。一方で、現状自動車を所有していない人では、その割合が低くなる傾向が見られました。
特に注目すべきは、以前に自動車を所有していたものの、現在は所有していない人における、今後の自動車所有意向です。この層では、「今後自動車のサブスクリプション・カーリースで自動車を所有したい」と回答した割合が14.8%に達しました。これは、自動車を手放した人においても、サブスクリプションサービスやカーリースに対するニーズが高まっていることを示唆しています。
自動車に対する意識:安全性と運転のしやすさを重視
自動車や運転に対する意識を調査した結果、最も高い回答を得たのは「操作性のよさなど、運転しやすい自動車が良い」という項目でした。この結果から、自動車の安全性や運転のしやすさは、消費者が重視する重要な要素であることがわかります。また、上位項目には、「燃費がよい自動車が良い」、「常に交通安全を気にかけている」といった項目も含まれており、消費者の安全意識の高まりがうかがえます。
消費者タイプ別分析:7つのクラスターに分類
自動車や運転に対する意識、自動車の保有有無などを基に、消費者タイプを7つのクラスターに分類しました。各クラスターは、それぞれ異なる特徴を持っています。例えば、「価格敏感層」は価格に敏感で、カーシェアリングサービスにも高い期待を持っていることがわかりました。一方、「こだわりシェアリング層」は、カーシェアリングサービスの利用経験が多く、品質や機能性にもこだわりを持つ傾向が見られました。
カーシェアリングサービスへの期待:料金プランや利便性が重要
カーシェアリングサービスの利用で期待していることを調査した結果、「自分にあった料金プランであること」、「自宅の近くにステーションがあること」、「貸出・返却が簡単であること」といった項目が上位に挙げられました。特に、自動車を所有していない層では、カーシェアリングサービスへの期待が強い傾向が見られました。
今後希望する自動車のタイプ:環境負荷の低減が求められる
自動車を所有している層における、今後希望する自動車のタイプを調査した結果、環境負荷の低減を重視する傾向が見られました。「スペック・環境重視層」では、ハイブリッド車や電気自動車を希望する割合が高く、特に過半数の人がハイブリッド車を希望していました。この結果から、環境意識の高い層では、燃費や排出ガスなどの環境性能に対する関心が高いことがわかります。
まとめ:変化する自動車利用の現状と未来
本調査では、自動車の所有状況、手放した理由、今後の所有意向、カーシェアリングへの期待など、変化する自動車利用の現状と消費者の意識を分析しました。
サブスクリプションサービスやカーリースの普及、カーシェアリングサービスの利用拡大など、自動車を取り巻く環境は大きく変化しています。消費者は、価格、利便性、安全性、環境性能など、様々な要素を考慮しながら、自分にとって最適な自動車利用の方法を選択していると言えるでしょう。
今後も、自動車業界では、消費者のニーズに応える新たなサービスや技術が開発されていくことが期待されます。