エチオピア「飢餓のない世界会議」でアクプランタ社の革新的技術が世界に羽ばたく
2023年11月、エチオピアのアジスアベバで開催された「飢餓のない世界会議」において、日本のアグリバイオスタートアップ企業であるアクプランタ株式会社の金鍾明CEOが講演を行いました。この会議は、国連工業開発機関(UNIDO)、アフリカ連合委員会(AUC)、エチオピア政府が共催し、国連食糧農業機関(FAO)が技術支援を行う、世界的な規模のカンファレンスです。
世界的な課題である飢餓問題の解決に向け、各国首脳や閣僚、国連関係者、開発パートナー、金融機関、学術界、ビジネスセクターなど、多様な関係者らが集結。革新的技術による解決策や投資、政治面からの取り組みなどが活発に議論されました。
アクプランタ社CEOの講演内容:バイオスティミュラント「スキーポン」による食糧増産への貢献
金CEOは、会議のソリューショントークセッションにおいて、同社が独自開発したバイオスティミュラント製剤「スキーポン」を紹介しました。「スキーポン」は、酢酸を主成分とする環境に優しく、植物の成長を促進する資材です。
講演では、「スキーポン」の作用機序と、地球温暖化による異常気象下における食糧生産の安定化への貢献について説明されました。具体的には、アフリカにおける主要作物であるトウモロコシやコーヒーへの適用事例が紹介され、気候変動による干ばつや高温などのストレス下でも、安定的な収穫量と品質を維持できることが実証実験で確認されたと発表されました。
この発表は、参加者である世界のリーダーや各国政府要人、国連機関の政策決定者から大きな関心を集め、活発な議論が交わされました。特に、アフリカ諸国において干ばつや熱波による食糧生産への被害が深刻な問題となっていることから、「スキーポン」の導入による解決への期待が寄せられました。
国際的な協業の芽:アフリカ諸国からの導入に向けた動き
講演後、いくつかの国々から「スキーポン」の導入可能性や共同実験の実施に関する打診があり、今後のアフリカ諸国における普及に向けた大きな一歩となりました。エチオピア国営放送による取材を受けるなど、国際的な注目度も高く、アクプランタ社の技術が世界規模での食糧問題解決に貢献する可能性を示唆しています。
「スキーポン」:気候変動に強い農業を支える技術
「スキーポン」は、植物が本来持つ能力を引き出すバイオスティミュラントです。酢酸の作用により、乾燥や高温に対する耐性を高め、収量や品質の維持、さらには節水にも貢献します。農薬や化学肥料に頼らない、持続可能な農業の実現に大きく寄与する技術として注目を集めています。
アクプランタ株式会社:アグリバイオ分野をリードする企業
アクプランタ株式会社は、理化学研究所の研究員であった金CEOが2017年に「Nature Plants」誌に発表した研究成果を基に設立されました。気候変動や持続可能な農業への需要の高まりを受け、米国やウガンダなど14カ国で「スキーポン」の実証実験を行い、高い効果を実証しています。国内でも、JAや農業試験場、農家などとの連携を通じて、その普及に取り組んでいます。数々の賞を受賞しており、その技術力と事業性は高く評価されています。
まとめ:飢餓問題解決への希望
アクプランタ社の「スキーポン」は、地球規模の課題である食糧問題の解決に貢献する革新的な技術です。今回のエチオピアでの発表を契機に、世界各国での普及が期待され、飢餓のない未来の実現に繋がる可能性を秘めています。