「RightConnect by KARTE」の進化
株式会社プレイドのグループ企業、株式会社RightTouchの新機能が登場しました。この機能は、顧客の電話問い合わせ体験を劇的に向上させることを目的としており、生成AIを搭載することで、カスタマーサポートの質を大きく引き上げることに成功しています。
1. 背景と課題
現代のカスタマーサポートにおいて、顧客は問い合わせ時に自動音声応答システム(IVR)を使用して内容を選ぶという一般的な流れがあります。しかし、このシステムでは、多様な顧客の困りごとに正確に応えることが難しいため、「その他」としての選択肢が多く選ばれる傾向にあります。これにより、オペレーターが実際の背景を把握する前に対応を始めなければならず、効率が悪化する事例も見受けられました。
RightConnectは、WEBサイトでの顧客行動データを解析し、それをコールセンターにリアルタイムで連携することで、迅速な問題把握を実現します。このプロダクトは、顧客が自由に困りごとを記入できる保証をし、その情報を生成AIが解釈し、適切な窓口に振り分けるという新たな流れを確立しています。
2. アップデートの詳細
今回のアップデートにより、顧客が困りごとを自由に入力した際、生成AIが瞬時にその内容を理解し、最適なサポート窓口へルーティングします。この強化により、顧客は自分の言葉で直接問題を伝えることができ、より直感的で迅速な解決策を得ることができるようになります。
また、コールセンターのオペレーターにとっても、この新機能によって応対品質の向上と平均応対時間の短縮が期待されます。例えば、SBI証券ではこの機能を実施した結果、顧客問い合わせの87%を正しい窓口に案内できるようになりました。60%は従来では適切な窓口に振り分けられていなかったものです。
3. 効果と成果
さらに、SBI証券においては、オペレーターのスキル別着信割合においても顕著な変化が生まれました。スキルの高いオペレーターの着信割合は減少し、中スキルのオペレーターが減少した一方で、低スキルのオペレーターの着信割合は増加しました。このように、適切なスキルのオペレーターに問い合わせが適宜振り分けられることで、オペレーターの負担軽減にもつながっています。
4. 取組みの未来
RightTouchの代表取締役、長崎大都氏はこの新機能について、IVRシステムにおける「その他」の選択率が高い現状を変える通路として期待されています。さらに、カスタマーサポートに生成AIを直接活用する事例はまだ少ないものの、今後もRightTouchは生成AIベースのさらなるアップデートを計画しています。
5. RightConnectとは
「RightConnect by KARTE」は、顧客の困りごとに応じて最適なオペレーターや取り次ぎを行うためのプロダクトです。これにより、 問い合わせをする顧客が事前にウェブサイトを閲覧した情報を、スムーズに電話による対応に活かすことができるようになります。顧客満足度の向上とAHTの効率化を同時に実現することを目指しているのです。
終わりに
RightConnectの進化によって、電話でのカスタマーサポート業務がどう変わっていくのか、今後の展開に注目が集まっています。