八王子市と連携した解体プラットフォームが運営する空き家除却の新たな取り組み

八王子市と株式会社クラッソーネの連携協定

解体工事のデジタルプラットフォーム「クラッソーネ」を運営する株式会社クラッソーネ（名古屋市）は、東京都八王子市と「空き家除却促進に関する連携協定」を結びました。これは、全国的に深刻化している空き家問題の解決を目的とし、八王子市内の管理不全な空き家の除却を進めるものです。特に、八王子市では近年、空き家の数が増加しており、5年前と比べて8万6,600戸も増加しています。これが地域に与える影響も無視できません。

協定の背景

総務省の発表によると、全国の空き家数は900万戸、空き家率は13.8%に達しています。特に東京都では89万6,500戸の空き家が存在し、そのうち八王子市はその一部を占めています。市では、2021年度に空き家対策計画を策定し、空き家の利活用や管理不全の解消を目指していますが、実際の相談件数は年々増加しています。

株式会社クラッソーネは、空き家問題を解決するために、全国2,100社以上の専門工事会社と施主を結ぶサービスを提供しており、これまでに15万件以上の実績があります。公民連携の取り組みとして、解体費用のシミュレーションや「すまいの終活ナビ」といったサービスを展開し、その成果が国土交通省の事業に認められるなど、取り組みは広がりを見せています。

主な取り組み内容

新たに締結された協定では、以下の取り組みを行うことが予定されています。
1. プラットフォーム「すまいの終活ナビ」を通じて解体の概算費用や土地売却査定価格を提供。
2. 空き家の情報をもとにした管理コスト、解体費用、土地売却査定価格のレポート作成を支援する「空き家価値査定シート」を活用。
3. 空き家所有者に向けた解体の進め方フライヤーを配布。
4. 市民や所有者からの相談へ、当社の情報やサービスを活用。

双方の期待

八王子市のまちなみ整備部長は、団塊世代の相続が進む今後、空き家が増えることが予測され、適正な管理を促進することが重要だとコメントしています。この連携により、所有者に対して具体的な情報提供ができるようになり、空き家管理の意識向上が期待されます。

一方、株式会社クラッソーネの代表取締役CEO、川口哲平氏は、空き家問題に対し自治体との連携が必要不可欠と語り、この協定を通じて空き家対策を強化するとしています。