紀北町が進める森林資源活用のJ-クレジット創出事業の全貌
三重県紀北町では、持続可能な森林経営とカーボンニュートラルの推進を目指し、「紀北町森林J-クレジット創出事業」がスタートします。このプロジェクトは、NTT西日本三重支店と株式会社地域創生Coデザイン研究所の協力のもと進められます。
背景: 紀北町の森林資源の豊かさ
紀北町の面積の約88%は森林で、その中で林業は主要な産業の一つとなっています。紀北町は、日本で初めて「FSC認証」を取得した地域であり、国際的にも評価されています。特に「尾鷲ヒノキ」と呼ばれるヒノキ材は、優れた育林技術と製材、乾燥技術により、日本農業遺産に指定されています。
このような背景のもと、新たな取り組みとして紀北町の森林資源を活用したJ-クレジットの創出に向けて事業がスタートすることになります。この取り組みにより、さらに林業を振興し、地域経済の発展を促進することを目指します。
J-クレジット創出事業の概要
紀北町は、約1,437ヘクタールの町有林を持っており、適正な森林整備を行いながら、二酸化炭素吸収や水源涵養、木材供給などの公益的機能を果たしています。この豊かな資源をより利活用するため、J-クレジット制度に基づいたクレジットの創出と販売を進めます。
これにより、エコロジカルな視点から、地域の経済性と公益性を両立させた持続可能な森林経営の実現を図ります。また、グリーントランスフォーメーション施策の推進やゼロカーボン宣言に基づいた温室効果ガス排出削減にも寄与することを目指します。
各組織の役割
紀北町は、地域の森林を活用し、J-クレジット創出事業を実施します。地域創生Coデザイン研究所は、クレジットの創出や販売、活用に関する支援を行い、持続可能な森づくりやブランディングの企画を担当します。そして、NTT西日本三重支店は地域の発展に向けた課題解決支援と地域パートナーとの協力を行います。
今後の展望
このプロジェクトにより、紀北町の森林から創出されたJ-クレジットを地域の金融機関やパートナーと連携して活用し、カーボン・オフセットの推進を図ります。また、地域外への流通を通じて都市部からの資金還流を図り、地域循環型モデルの構築を目指します。
最後に、紀北町で進められるj-クレジット創出事業は、持続可能な森林経営やカーボンニュートラルに向けた取り組みを広く伝え、さまざまな企業や団体、個人との連携を深めて、当地域が掲げる「自然と共生の町」の実現に向けた一助となることを期待しています。