令和6年版「役員報酬・役員退職金(Y-BAST)」が9月2日からウェブ上で公開され、経営者にとって有益なデータが手の届くところに提供されることになりました。このデータベースは、全国の11,400名の税理士や公認会計士によって調査されたもので、約10万社の企業から集められた情報をもとに構築されています。この調査には約19万人の役員の報酬および退職金に関するデータが含まれています。
この報酬データは、主に調査に協力したTKCの会員事務所に提供されます。利用目的は、関与先企業における役員の報酬や退職金を決定する際の貴重な参考資料として使われます。具体的には、役員の月額報酬に関するさまざまな情報を提供し、役職ごとの報酬分布を業種や地域、事業規模などで細かく分析できる資料が含まれています。
提供される資料の詳しい内容
1.
月額役員報酬分布表: 企業を業種、地域、事業規模別に区分し、役職別の月額報酬の分布状況を示すグラフです。この表を用いることで、報酬の水準を視覚的に理解できます。
2.
月額役員報酬分析表: 黒字企業と欠損企業に分けた上で、業種や規模別に役職の月額報酬の平均値を提供。特に、高額報酬例として第1四分位に該当する金額が示されることで、経営者は自社のポジションを比較しやすくなります。
3.
役員退職金リスト: 過去10年間の退職金調査データを元に、役職や業種、地域、退職金の支払日などさまざまな条件で整理された情報が揃っています。特に、経営者の世代交代が進む中で、その退職金額を事前に検討する際の重要なデータベースとなります。
データの価値
このデータは、企業経営を行う者にとって極めて重要であり、経営上の意思決定をサポートする役割を果たします。役員報酬や退職金の適正水準を見極めることができれば、さらに優れた人材を確保できる可能性が高まります。また、これによって企業の経営戦略をさらに強化することが期待されます。
これらのデータは、業界内での報酬横並びを意識するためにも、また優秀な人材の確保・育成を目指すためにも、ぜひ活用していただきたいと思います。月額役員報酬や役員退職金に関するデータは、今後の経営戦略の重要な指標となることでしょう。