日本郵船とOceanic Constellations、洋上宇宙インフラ事業で新たな一歩
2026年5月21日、日本郵船株式会社と株式会社Oceanic Constellationsが洋上宇宙インフラ事業に向けた協業覚書を締結しました。この覚書は、日本郵船との過去の協業案件を基に、海洋資源と宇宙産業を融合させ、新たな成長の可能性を模索するものです。
洋上宇宙インフラ事業の背景
現在、宇宙開発の分野では小型衛星コンステレーションの進展や低軌道利用が広がっており、民間宇宙ステーションが登場するなど、宇宙活動の多様化が進んでいます。このような状況において、打上機会や通信網の確保、再利用のための回収システムが重要視されています。また、従来のロケット発射場や地上局は陸上に偏在しているため、打上方位や通信の可視性、回収エリアの確保に制約があります。これを打破するため、海洋を活用し、運用の柔軟性を高めることが期待されています。
Oceanic Constellationsは、海上からのロケット打上機会を広げ、宇宙輸送や衛星通信のノウハウを活かして新たな宇宙インフラの設計と開発を行います。
日本の海洋産業と宇宙産業を結ぶ「New Ocean」戦略
また、Oceanic Constellationsは「New Ocean」という戦略を掲げ、日本の海事クラスターが持つ優れた技術を背景に、新たな産業創出に挑戦しています。この戦略は、無人化や省人化などの最新技術を取り入れ、海洋と宇宙を横断する新たな事業の創出を目指しています。
この協業は、無人船(USV)の活用や海運企業との連携など、海洋と宇宙が交錯する未来の姿を具体化するものです。海洋国である日本の強みを活かし、次世代のインフラとしての宇宙活動を支える礎を築いていくことが期待されています。
成長戦略としての宇宙活動
さらに、海洋と宇宙は我が国の成長戦略や経済安全保障、産業競争力の観点からもますます重要な領域となります。政府においても海洋産業の高度化や新産業の創出を目指す動きが進んでおり、この協業は民間セクターが積極に社会実装を図る一環と位置付けられています。
Oceanic Constellationsは、日本郵船との協業を通じて、海洋産業や宇宙産業の発展に寄与し、新たな成長産業を生み出し、国際展開へと進んでいく重要な役割を果たすことを目指しています。
Oceanic Constellationsの基盤技術
株式会社Oceanic Constellationsは、海洋、宇宙、IT、アカデミック等異なるバックグラウンドを持つメンバーで構成されたスタートアップで、2023年11月に創業しました。すでに約40億円の資金調達を実現し、50名未満のチームで活動しています。現在、USVを用いた群制御技術の開発に注力しており、海洋通信ネットワークを統合した「海の衛星群®」の実現を目指しています。
海洋群制御に関する特許も多数保有し、政府機関や地方自治体、他の海洋事業者との連携も進めています。2027年の事業化に向け、積極的な技術開発が行われている状況です。
これからの海洋と宇宙の領域における進展に期待が寄せられています。