ギリアドが2025年第3四半期の業績を発表、成長期待の新製品ラインナップ

ギリアド・サイエンシズの第3四半期業績報告

2025年10月30日、米国のギリアド・サイエンシズが2025年第3四半期の業績を発表し、前年同期比での成長が見られました。特に、主力製品の一部が好調な売上を上げたことが大きな要因となっています。以下では、業績の詳細を深掘りします。

売上の状況と成長ドライバー

2025年第3四半期の売上高は78億ドルで、前年同時期と比べて3%の増加を記録しました。
特筆すべきは、製品売上高が73億ドルであったものの、ベクルリーを除くと71億ドルと前年同期比で4%の成長を見せています。この成長の要因は、HIV関連製品やLivdelziなどの売上の向上によるもので、細胞治療薬の売上減少が影響しました。

特に「ビクタルビ」は前年同期比6%増の37億ドルを達成し、需要が高まっていることが伺えます。HIV製品全体では53億ドルで、こちらも前年より4%の増加が記録されました。

企業の声明と今後の見通し

ギリアドのCEOダニエル・オデイは、「Yeztugoの好調な立ち上がりが我々にとっての大きな資産です。これからも転移・再発トリプルネガティブ乳がん治療薬であるトロデルビの良好なデータなど、堅固な製品ポートフォリオを活かして成果を上げていきたい」と述べています。

今後は2026年にも複数の新製品が上市される見通しで、これによりギリアド史上最も強力な開発パイプラインを持つことになると期待されています。2036年までの主要製品の独占権維持も見込まれており、飛躍的な成長が期待されています。

財務指標と配当

2025年第3四半期のEPS（1株あたり利益）は2.43ドルで、前年同期の1.00ドルから大きく増加しました。この増加は、前年に計上されたIPR&D減損費用が発生せず、他の収入増加が寄与したためです。企業は引き続き、安定したキャッシュフローを維持し、41億ドルの営業キャッシュフローを記録しています。

さらに、ギリアドは10億ドルの現金配当を支払い、株式の買い戻しも実施しました。これにより投資家への還元を強化し、資本基盤を揺るがさない体制を構築しています。

リスクと将来の計画

とはいえ、ギリアドは今後の見通しに対してリスクが存在することを忘れてはいません。特に、COVID-19関連の製品売上が減少するなど、様々な要因が業績に影響を及ぼす可能性があります。ビクタルビに関する特許訴訟も一つのリスク要因となっています。

また、米国における規制や立法の変化は、今後の成長戦略にも影響を与える可能性があります。これらの点を考慮し、ギリアドは慎重な計画を立て、未来の業績を確実に向上させていく必要があります。