国連における日本のジェンダー問題審査が注目を集める理由とは

2024年10月17日、国連の女性差別撤廃委員会（CEDAW）が日本政府に対し、約8年ぶりの審査を行います。日本におけるジェンダー不平等の象徴として、夫婦同姓制度の強制や性と生殖にかかわる健康と権利（SRHR）の軽視が挙げられます。

この審査に際して、日本政府代表はどのように問いただされるのでしょうか。CEDAWは、これまでの法律整備や社会の変容に対する取り組みについて、明確なスタンスを求めると予想されます。特に、重要なテーマとして浮上するのが選択的夫婦別姓の法制化です。これに関して、一般社団法人あすにはをはじめとする団体が、各々の立場から日本政府の取り組みに疑問を投げかけ、さらなる改善を促しています。

審査の準備として、半年以上にわたり様々な団体が共同で市民レポートを作成し、政府に対して強いメッセージを送るための陳情活動を展開しました。この活動は、日本国内における法律のグローバルスタンダードからの遅れを際立たせ、経済成長や社会の持続可能性に影響を与える要因ともなっています。特に、政府がこれまで後回しにしてきた法整備の重要性が際立つ中、CEDAW委員は日本政府代表にどのような厳しい質問をし、その回答に対してどのように反応するのかが注目されます。

ジュネーブでの記者会見は、審査の結果や各団体の受け止め、期待される変化についての意見を交わす貴重な機会です。特に、一般社団法人あすにはの井田奈穂代表理事や、公益財団法人ジョイセフの草野洋美氏が登壇し、市民レポートの要点やCEDAW審査への活動全体についての総括が行われる予定です。また、トランスジェンダーネットワーク・ジャパンの高井ゆと里氏によるトランスジェンダーに関するSRHRの課題についても、重要な視点が提供されるでしょう。

さらに、急速に変化する日本の政界において、特に石破茂新政権の発足とそれに続くジェンダー平等政策への影響についても焦点が当てられています。近年、選択的夫婦別姓の法制化に賛成する政党からの評価が高まっていますが、その実施に向けての具体的な動きが期待される中で、社会はどのように変化していくのか注目です。

この記者会見においては、CEDAW審査に関連した陳情アクションの振り返りや、政府側の反応についての素直な感想が共有されることでしょう。規制緩和が進む中で、国際的な視点からジェンダーに関する課題を改めて考える契機になることが期待されています。日本におけるジェンダー平等の実現に向けた一歩として、今回のCEDAW審査がどのような影響を持つのか、深く注視していきたいと思います。