シロアリから住宅を守る「S3工法」の革新
シロアリによる被害は、全国の住宅において深刻な問題となっています。近年、住宅デバイス共創機構が提案した「ベタ基礎2度打ち工法」(S3工法)が注目を集めています。この工法は、少ないコストでシロアリの侵入を効果的に防ぐ新しい手法です。
S3工法の特徴
S3工法が持つ最大の特徴は、シロアリが住宅に侵入しにくくなるだけでなく、彼らの移動に使われる「蟻道」を見つけやすくし除去しやすくなる点です。シロアリが進む経路は数多くありますが、S3工法によってその経路を意図的に制限することが可能です。
シロアリの侵入経路
1.
基礎の立ち上がり
シロアリは基礎の立ち上がりを登り、木材部分へと到達します。特に、外断熱の場合、断熱材が蟻道を隠してしまうため目視での発見が難しくなります。
2.
コンクリートの隙間
2度打ちの際に生じる隙間や、セパレーターの腐食による隙間もシロアリの侵入経路となります。
3.
地中配管の隙間
基礎と給排水配管の隙間も、シロアリが住宅内に侵入する経路となります。
このような侵入経路に対処するのが、S3工法の役割です。実際に、基礎ベース部を基礎の立ち上がりより外側まで打設することで、シロアリは他の経路を通る前に、日が当たりやすい天板を通過します。日光を好まないシロアリにとって、こうした環境は効果的な忌避手段となります。
玄関ポーチ周辺の対策
さらに、住宅の玄関ポーチ周辺のシロアリ侵入経路への対策も重要です。タイル下や周辺の打ち継ぎ部分が侵入経路として仕分けられることが多いため、基礎ベース部を一体で打設することでこれらの経路を完全に塞ぎます。これにより、シロアリが土台や框に到達するのを防ぎます。
S3工法の施工方法
S3工法は、従来のベタ基礎の2度打ち工法を踏襲しているため、特別な技術や設備の習得を要しません。施工は、住宅デバイス共創機構の認定パートナーによって行われます。
ベース部を適切に設置することにより、従来の方法では防ぎきれなかったシロアリの侵入をしっかりと防ぐことができます。
今後の展望
住宅デバイス共創機構では、今後もS3工法の改良および新たな防蟻基礎の開発を予定しており、現段階では「XS6工法」の開発が進行中です。これにより、さらなるシロアリ対策が実現することが期待されています。
定期的な住宅のチェックと、施工された基礎の確認を通じて、住宅所有者も安心して安全な住環境を守ることが可能となります。
不安を感じる住宅オーナーにとって、こうした工法は大きな救いとなります。今後、シロアリ対策の一環としてS3工法を採用する住宅が増えていくことを期待しましょう。