経営者を魅了した『共感価値の設計図』出版記念講演
2023年12月2日、東京都千代田区にある東京コンベンションホールにて、株式会社イマジナが主催した新刊『共感価値の設計図』の出版記念講演が開催されました。このイベントには、90名以上の経営者が参加し、参加者からの熱い関心が寄せられる中で幕を開けました。
この講演は事前に告知されたにもかかわらず、瞬く間に満席となり、当日の光景は異様なものでした。講師である代表取締役社長の関野吉記の周りには、講演終了後も経営者や人事責任者たちが質問を求めて列を成し、移動することすらままならない状況が続きました。この熱気は、日本企業が直面する問題の深刻さを如実に示しています。
社員を4つのタイプに分類するフレームワーク
関野氏が紹介したのは、社員を「能力」と「理念への共感度」の2軸で分類するユニークなフレームワークです。この分類によると、社員は以下の4つのタイプに分けられます。
- - A人材(人財):能力が高く、理念への共感もある理想的なリーダー。
- - B人材(人材):能力は低いが理念に共感する若手社員。今後の成長を期待される存在。
- - C人材(人罪):能力は高いが理念に共感しない人。在籍し続けることが組織に悪影響を与える可能性がある。
- - D人材(人在):能力も共感も低い社員。組織にとって負担となる存在です。
関野氏は、特にC人材の存在が日本企業の停滞の原因であり、なし崩し的に若手を静かな退職に追い込んでいると指摘しました。質疑応答では、参加者から「自社の営業部長がまさにC人材だ」など、共感を呼ぶ悲痛な声が多数上がりました。
日本企業の現状と施策の必要性
講演中で強調されたのは、現代のビジネスパーソンが「社外学習・自己啓発を行っていない」というデータです。多くの企業で見られる「変化への拒絶」は、すでに危機的状況に瀕しています。それに対して、賃上げや福利厚生、表面的なスキル研修といった「対症療法」では、もはや効果が薄れています。
ここで提唱された解決策は、行動経済学と組織心理学を用いた「根本教育」でした。これは、単に報酬のためではなく、「この会社の目指す未来」のために働くという内発的動機を生む手段となることを目指します。この理念に基づいたアプローチが、エンゲージメントの低下や静かな退職に歯止めをかける最良の手段であると、多くの参加者が講演を通じて実感しました。
参加者からの声
講演後の参加者の反応も印象的でした。彼らは、「人的資本経営の視野が広がった」とか、「OJTを復活させるには人間力教育が欠かせない」との声をあげ、自らの業務にどう活かせるかのヒントを得ることができました。また、平易すぎるモチベーション論ではなく、現実的な経営論に触れることができたことに対し、深い感謝の意を表す参加者もいました。
書籍情報と企業概要
今回の講演を基にした新刊『共感価値の設計図 ~まだ知られていない、”理念”の本当の価値とチカラ~』は、関野吉記氏による著作です。この書籍では、行動経済学や組織心理学の理論を基に、社員のエンゲージメントを高めるための具体的な手法が述べられています。
イマジナは、企業ブランディングやコンサルティングを手掛けており、今後も企業の競争力を高めるための取り組みを続けていく考えです。私たちも、彼らの動向に注目していきたいと思います。
会社概要
- - 会社名:株式会社イマジナ
- - 代表者:代表取締役社長 関野 吉記
- - 所在地:東京都千代田区麹町3-5-2 ビュレックス麹町
- - URL:imajina.com
- - 事業内容:企業ブランディング、コンサルティング、タレントマネジメント