大阪・関西万博を契機にJALとJTBが手を組む
JALとJTBは、訪日外国人を地方へ誘客し、地域活性化を図るための共創プロジェクトを開始しました。このプロジェクトは、2024年の訪日外国人旅行者数が過去最高を記録したことを受けて、特に都市部に集中する観光客を分散させることを目的としています。
背景と課題
2024年には3,687万人の訪日外国人が日本を訪れると予測されていますが、依然として多くの観光客が東京や京都、大阪といった大都市に集中しているため、オーバーツーリズムの問題が顕在化しています。この状況は、一部地域での混雑や地域住民への影響を引き起こしており、旅行者自身の満足度にもマイナスの影響を及ぼしています。
プロジェクトの目的
この共創プロジェクトでは、蔵のある地域や隠れた観光スポットに焦点を当てた新たなツアーを企画することで、訪日外国人の地方周遊を促進します。具体的には、国内の地方路線を利用し、訪問先の地域文化や観光資源を体験できるツアーを展開します。
大阪・関西万博に対する第一弾
プロジェクトの第一弾として、JTBとJALは大阪・関西万博を訪れる外国人を対象に、地域を回るツアーを提供します。これにより、多様な地域の魅力を発見する機会を提供し、地域経済の活性化を図ります。2025年3月25日から、具体的なツアーの販売が開始される予定です。
ツアー概要
初回のツアーラインナップは次の通りです。
1.
「奄美大島と鹿児島を巡る3日間」:自然遺産を守る奄美大島と活火山桜島を満喫するツアー(290,000円※2名1室)。
2.
「山陰から山陽・瀬戸内海をめぐる3日間」:出雲、倉敷、宮島を訪れる文化体験ツアー(198,000円※2名1室)。
3.
「東北 古き良き日本の風情を感じる旅」:銀山温泉や中尊寺を訪れる伝統文化体験ツアー(240,000円※2名1室)。
これらのツアーは、大阪伊丹空港から出発し、地域の自然、歴史、文化に触れる機会を提供します。また、全行程に英語ガイドが同行し、訪問先の深い理解を促します。
サステナビリティへの配慮
今回のプロジェクトでは地域の環境にも配慮し、「CO2ゼロ旅行®」を取り入れます。旅行中に排出されるCO2を、J-クレジット制度を活用して実質ゼロにする取り組みです。これは、持続可能な観光を目指すための重要な要素となっています。
期待される成果
JALグループとJTBは、さらに多様な観光商品を提供していく意向を示しており、今後の展開に期待が寄せられています。旅行者にとっては、ただの観光地を訪れるだけでなく、地域の歴史や文化を深く体験する貴重な機会となるでしょう。
このプロジェクトが成功すれば、訪日外国人が地方に興味を持ち、地域経済の成長に寄与する一助となることが期待されます。