シンガポールにおける物流開発プロジェクト
日本の東急不動産株式会社がシンガポールで物流開発プロジェクトに初めて参画することになりました。このプロジェクトは、アジア全域で物流投資事業を拡大するための戦略的パートナーシップの一環として進められています。このたび、ESRグループとの提携を正式に発表し、シンガポールに位置する物流開発プロジェクトがその第1号案件となりました。プロジェクトが行われる場所は、東南アジアにおける物流ハブとして期待されているシンガポールです。
プロジェクトの背景
シンガポールは、eコマースの急成長と共に、東南アジア各国が急速に発展している中で、需要の増加が見込まれています。現在、同国は上海に次ぐ世界第2位のコンテナ取扱量を誇り、2040年までにはその取扱量を倍増するための政府主導による「トゥアス・メガポート」の開発が進行中です。このような背景を受けて、物流施設の需要はますます高まっています。
プロジェクトの具体的な内容
今回のプロジェクトでは、70,000㎡以上の敷地に最新の倉庫棟と自動化コンテナデポ棟を含む141,902㎡のロジスティクス施設が開発される予定です。このプロジェクトの位置は、シンガポールの西部にあり、主要な港に近接し、マレーシア連絡橋へのアクセスも良好です。そして、すでに2社のアンカーテナントと賃貸契約を結んでおり、2027年の竣工が予定されています。
ESRグループとのパートナーシップ
東急不動産とESRグループとのパートナーシップは、アジア太平洋地域における最も大規模な不動産投資マネジメントのプラットフォームを活用し、継続的に新たな投資機会を見つけることができるようになります。これにより、シンガポールをはじめとするアジア7か国での物流開発プロジェクトへの優先的なアクセスが可能となり、各国の市場拡大に貢献していく考えです。
海外戦略の展開
東急不動産は、1973年から海外進出を行い、アメリカやアジアなど9か国でのプロジェクトに携わってきました。ニューヨークのオフィスビルを含む様々なプロジェクトを通じて、地域社会に貢献し、事業を拡大してきました。特に、アジア市場においては、自社主導での住宅開発が地域の発展に寄与しています。
環境への取り組みと未来へのビジョン
さらに、東急不動産は「GROUP VISION 2030」と題した長期ビジョンを掲げ、持続可能な社会の実現に向けた取り組みを強化しています。2022年には全ての事業所と保有施設において100%再生可能エネルギーへの切り替えを完了し、国内企業として初めて「RE100」の目標達成を認定されました。これにより、環境負荷を軽減しながら、未来に向けた着実な成長を目指しています。
結論
シンガポールにおける物流開発プロジェクトは、東急不動産のグローバル戦略の一環であり、持続可能で成長するアジア市場における重要な一歩です。このプロジェクトが成功を収めることで、同社の国際的な地位もさらに高まることでしょう。