AIを活用した地方金融機関の業務革新:Polaris.AIの取り組み
最近、Polaris.AI株式会社は、地方金融機関と松尾研究所の共同によるAI勉強会に講師として参加しました。このプログラムでは、役員層に対して短期間で生成AIを活用した業務プロトタイプを開発し、経営課題の解決を目指しました。
プログラムの概要
約1か月の期間で行われたこのプログラムは、全3回のセッションで構成されていました。内容は、以下の3つのパートに分かれていました。
1.
勉強会:最新のAI動向や、金融業界における成功事例を紹介し、Microsoft Copilotを使用したワークショップも実施。
2.
アイデア創出:経営や業務上の課題を洗い出し、AIの活用イメージを具体化し、そのインパクトを試算しました。
3.
プロトタイプ開発:AIを用いた高速なプロトタイプ開発を行い、その結果を踏まえて本格導入に向けたディスカッションを行いました。
このプログラムを通じて、Polaris.AIは4つの業務プロトタイプを開発しました。
開発されたプロトタイプ
1. コールセンターのシフト最適化
このプロトタイプでは、各社員の要望やスキル制約を考慮し自動でシフトを作成するシステムが実装されました。さらに、突発的な休暇連絡に対応できるチャット機能も追加されています。
2. ATMの補充タイミング予測
このシステムはキャッシュアウトリスクの軽減を目的としており、現金物流コストを削減するための最適化アルゴリズムを開発しました。運用に回せる現金の増加も狙っています。
3. 人事異動案の最適化
スキルや適性、育成計画を踏まえた異動支援システムを構築し、直感的に修正が可能な体験を実現しています。
4. 金融商品適合性チェックシステム
商談内容を音声で取得し、発言内容を分析。社内規準や法令を遵守する観点から警告や修正点を提示するシステムも開発されています。
今後の展開
これらのプロトタイプは、現場での実証(PoC)や本番運用に向けての検討が進められています。Polaris.AIは、モデルやアルゴリズムの高度化だけでなく、権限や監査、運用設計を含む全体的なAIの導入を推進していく方針です。
松尾研究所とPolaris.AIの役割
松尾研究所は、東京大学大学院工学系研究科との連携を通じて、AIの社会実装と人材育成を進めています。Polaris.AIは、AI受託開発や技術教育を行い、幅広く企業のDX支援をしている企業です。
このような取り組みを行うことで、今後の金融業界におけるAIの活用がさらに進展し、業務の効率化や経営の向上が期待されます。Polaris.AIと松尾研究所は、今後の発展を通じて地域金融機関の更なる成長をサポートし続けていくことでしょう。