自動化時代の救世主:ロボットケーブル・ホースの信頼性を高める新技術
自動化と省人化の波が押し寄せる製造現場において、産業用ロボットの導入は急速に進んでいます。その中で、ロボットの稼働信頼性を確保するためには、ケーブルやホースの設計が重要視されています。中外テクノス株式会社は、広島市に本社を構え、ロボットケーブルとホースの物性値測定支援技術を提供し、信頼性の向上を目指しています。
ケーブル・ホース設計の重要性
産業用ロボットは、多軸での動作を行うため、ケーブルやホースには複雑な応力がかかります。繰り返しの引張や曲げ、ねじりによる影響を正しく設計段階で考慮しないと、断線や被覆割れ、ホース破損など、多くのトラブルを引き起こし、最終的には装置の停止やメンテナンスコストの増加を招くことになります。このような背景から、物性値に基づくケーブル・ホースのシミュレーションが重要とされています。単なる形状情報だけではなく、引張剛性や曲げ剛性、ねじり剛性といった物性特性も正確に把握する必要があります。
物性値測定支援技術の概要
中外テクノスの「ロボットケーブル・ホース物性値測定支援技術」は、ケーブルやホースの力学的特性を高精度で計測し、シミュレーションに活用できるデータとして提供する技術支援サービスです。以下の項目を測定します:
- - 引張剛性(Tensile Stiffness):引張方向に対する抵抗
- - 曲げ剛性(Bending Stiffness):曲げ変形に対する抵抗
- - ねじり剛性(Torsional Stiffness):ねじり変形に対する抵抗
これらの物性値を活用することで、設計者はケーブルやホースの応力分布や変形挙動を数値的に予測でき、結果的にロボット動作時の最適な配索ルートやクランプ位置をシミュレーションし、設計段階での手戻りを大幅に削減できます。
CADとの連携による信頼性向上
中外テクノスが提供する物性データは、「Cable Simulation」などの解析ソフトに直接利用可能です。設計者はロボットアームや可動ユニットの動作軌跡に合わせてケーブルやホースの曲げ半径や応力集中箇所をシミュレーションできます。これにより、実際の運用時のケーブル・ホースの動きを可視化し、最適なレイアウトを導き出すことが可能です。
実際のユーザー事例としては、測定データを駆使した解析により、ケーブルの摩耗発生箇所を事前に把握したことや、ホースのねじれ方向の最適化が実現されたケースがあります。これにより、可動部の長寿命化とメンテナンス作業の効率化が見込まれています。
多様な供試体タイプへの対応
中外テクノスでは、さまざまな試験体タイプに対応したサービスを提供しています。具体的には、シングル、ダブル、蛇腹タイプのホース、電源線や信号線、制御用ケーブルなどのケーブル、特殊樹脂被覆ケーブルやハイブリッドケーブルにも対応しています。外径20mm以上の場合は特別な治具の製作が必要ですが、最大外径69mmまでの測定実績があります。気軽に相談できる環境も整えています。
まとめ
「ロボットケーブル・ホースの長寿命化支援技術」は、設計段階から機器の信頼性を高めるためのエンジニアリング支援サービスです。物性値データに基づいてシミュレーションの精度を向上させ、試作回数を削減し、長寿命化設計とメンテナンス効率化を実現します。安定した稼働を支える設計品質を次のレベルへ引き上げるこの技術を、ぜひご活用ください。