国際興業株式会社は、9月9日より池袋営業所において、関東では初の「レトロフィットEVバス」の運行を開始しました。このEVバスは、約51万キロメートル走行した既存のノンステップバスを、最新の電気自動車技術で改造したものです。改造は台湾の電気バスメーカーであるRAC Electric Vehicles Inc.が行い、住友商事株式会社と西日本鉄道株式会社の技術的支援を受けています。
この新しいバスは、いすゞ製のエルガノンステップバス(平成22年式)を基にしています。駆動にはリチウムイオンバッテリー280kWと最大出力320kWの電動モーターが搭載されており、従来のディーゼルバスと比較して年間約48%のCO2排出削減を見込んでいます。
また、池袋営業所には新たに急速充電器が設置され、充電インフラも整いました。この充電器はMobiletronの製品で、60kWのパワーを持ち、2口の充電ポートを備えています。これにより、EVバスの効率的な運行が実現されます。
運行系統は、池20系統が池袋駅西口から高島平操車場まで、池21系統が池袋駅西口から高島平駅へと楽々アクセス。地元の利用者や観光客にとって、これまで以上に便利な移動手段が提供されます。
デザインも注目ポイントで、バスの外観は「レトロフィットEVバス」であることがひと目で分かるようになっています。黄色を基調にした色使いは電気のイメージを引き立て、「雷」や「電池」を模したマークが印象的です。また、充電コードをイメージした曲線デザインが施されており、従来の直線的な塗装とは異なる魅力的な外観となっています。加えて、伝統的な若草色のカラーや矢羽根デザイン、ロゴマークのオマージュも取り入れられています。
国際興業株式会社は、今後も電動車両の導入を進めることで、2050年カーボンニュートラルの実現に貢献していく方針です。持続可能な社会に向けた一歩を踏み出し、地域住民に対する信頼感を深める取組みとしても注目されます。
このレトロフィットEVバスの運行開始は、乗客の利便性向上だけでなく、地球環境への配慮も含まれており、新しい公共交通の形を示しています。国際興業株式会社の今後の動向にも期待が寄せられます。