がん患者のためのアピアランスケア支援事業の実態調査2024年版
がん患者向けの「アピアランスケア支援事業」は、治療による外見の変化に悩む患者を支援するため、主に地方自治体が実施する助成制度です。
しかし、自治体によって助成内容や対象者に差異があり、地域によって大きな格差が見られます。当法人では、2022年度から毎年実施している独自の調査を通じて、この状況を明らかにしています。
アピアランスケア支援事業とは
アピアランスケアとは、がん患者が抱える身体的や精神的な問題に対処するための支援を指し、その中の一つとして「アピアランスケア助成」があります。この制度では、ウィッグや乳房補正具など、外見の変化を補うためのアイテムを購入する際の助成金が提供されますが、その内容や額は自治体によって異なるため、一定の支援を受けられない地域も存在します。
2024年度調査結果のポイント
2024年の調査結果では、対象とした1741の市区町村のうち、64%に当たる1114の自治体で何らかのアピアランスケア支援が実施されていることが分かりました。これは2022年度調査時の38%から大きな増加を示しており、地域による支援の拡充が進んでいます。
助成金の実態
助成金の額については、2〜3万円程度が多い傾向にあり、これもまた地域差が見られます。ただし、この金額は助成範囲により異なるため、一律に妥当とは言えません。また、市区町村ごとに補助の形態が変化しており、都道府県による補助も併用されるケースが増加しています。これにより、患者がどの助成を選択するかの選択肢も増えています。
地域格差解消に向けた取り組み
アピアランスケア支援事業の推進にあたって、当法人は2022年に厚生労働省に対して地域格差の解消を求める陳情を行いましたが、具体的な実施には至りませんでした。しかし、地域の議員連盟への啓発活動を続け、全国どの自治体においてもアピアランスケア助成を受けられる体制を目指して活動しています。
今後の展望
今後も全国のどの地域でも、この支援を受けられるようになるためには、時間が必要かもしれませんが、当法人は継続的にその必要性を訴えていく方針です。アピアランスケア関連情報は、当法人のウェブサイトにて随時更新していきます。さらに、全国のアピアランスケア支援事業のリンク集や、行政との情報連携を進めることで、患者の生活の質を向上させるための支援を続けます。
「まなぶ・はたらく・かう・しる・おうえんする」という五つの軸を基に、病気や障害を抱える子どもと家族のための生活の質の向上に努めている一般社団法人チャーミングケア。私たちの取り組みにご注目ください。