ITエンジニア就活と生成AIの活用
近年、就職活動においてAIを駆使する学生が急増しています。特に、ITエンジニアを目指す学生がその恩恵を受けていることが明らかになりました。paiza株式会社が実施した調査によると、2026年から2029年に卒業予定の学生の中で、生成AIを利用している割合が高まっているのです。具体的には、新卒登録者の84%が生成AIを日常的または偶に利用しているとのことで、学年が上がるにつれてその利用率は増加します。特に26卒と27卒はそれぞれ90%を超えています。
1. 生成AIの普及状況
調査では、生成AIの利用場面が非常に幅広く、特に学習目的での活用が多いことがわかりました。66%の学生が個人的な調査や検索に利用し、60%が大学の課題や授業での活用を報告しています。このような利用状況から、生成AIがただのツールであるだけでなく、学びの深化に寄与していることが伺えます。
2. 就職活動への具体的な影響
調査結果によると、就職活動における生成AIの利用率は26卒で80.6%、27卒でも56.2%となっています。特に自己分析や自分の適性理解の場面で使われ、63%が自己分析に生成AIを利用したと答えています。
選考プロセスにおいては、業界研究や企業研究の情報収集にも活用され、エントリーシートの作成など文章作成も含まれています。これにより、従来の選考方法では把握しきれない学生のスキルや適性を評価する必要が出てくるでしょう。
3. 就活環境の変化
このような背景から、企業は生成AIを活用する学生に対して新たな評価基準を設ける必要性が高まっています。従来のペーパーテストや簡易面接だけでは、潜在的な成長力やクリエイティビティを把握することが難しくなります。生成AIの活用は、学生の能力を最大限に引き出す手助けになる一方で、企業にとっては適切に評価する道筋を探らなければならないという課題をもたらすことになります。
4. 未来の展望
paiza株式会社の代表取締役社長、片山良平氏は、生成AIがITエンジニアを目指す学生に浸透している実態を強調しています。今後、生成AIを使いこなす人材がさらに増えることは、企業や業界にとっても大きなプラスとなるでしょう。結果として、IT業界の発展を促し、学生の能力を真正に反映させる転職・就職活動の環境が整うことを期待しています。
この調査から得られる洞察は、今後の人材採用戦略や教育の在り方にも影響を与えることでしょう。生成AIを活用した選考方法の確立や、新しい教育プログラムの開発が急務となる中で、IT業界全体の進化が期待されます。