色彩検定が新たな時代に対応し改訂
1990年に始まった「色彩検定」は、色に関する知識や技能を認定する試験としての地位を確立し、多くの受検者を抱えてきました。この程、色彩検定協会は、社会環境の急激な変化を考慮して公式テキストを約10年ぶりに全面改訂しました。
改訂の背景
色彩検定が時代の潮流に適応した理由は、急速な技術の進展とともに、業務に求められる色彩の知識が多様化しているからです。特に、デジタルメディアの普及に伴って、Webやスマートフォン向けのデザイン分野は重要性を増しています。そのため、これらの変化を反映した新しい内容のテキストを作成する必要がありました。
最新版テキストの内容
改訂されたテキストは、持ち運びやすさを考慮して、従来のA4版からB5版に変更されました。また、ユニバーサルデザインを意識した読みやすいフォントと改善された図表デザインによって、視覚的にも理解しやすい内容に仕上げられています。特に、理解を助けるための図表や、専門的な用語の見直しが行われています。
新しい専門分野の追加
改訂版では、メディアデザインや照明に関する新たな項目が加わり、受検者が求める現代的な知識を網羅しています。これにより、受検者は、配色の基礎から、カラーマーケティング、色彩文化史、流行色の変遷まで、幅広く学ぶことができます。また、色覚の多様性や加齢による色の見え方の変化についても理解を深めながら、誰もが暮らしやすい社会を作るための知識を得られるよう配慮されています。
検定の概要とスケジュール
改訂版のテキストは、2020年から各級別に販売が開始され、春と秋に検定試験が実施される予定です。受験者はそれぞれのレベルに応じて、基礎的な知識を確認し、さらなる専門的なスキルを磨くことができます。
- - 価格: 3級編 2,420円、2級編 2,970円、1級編 4,070円(税込)
- - 夏期検定: 申込期間: 3月16日~5月21日、試験日: 6月28日
- - 冬期検定: 申込期間: 8月3日~10月1日、試験日: 11月8日
これからの色彩検定は、ただの資格試験にとどまらず、色に関する知識を広げる場として、受検者の能力を引き上げることを目指しています。色彩検定協会は、「色のリテラシー」を高めることで、幅広い業界で活躍する人材を育成することに力を入れていくでしょう。この新たなテキストが、多くの人にとって色の世界への第一歩となることを期待しています。