日本の農業に新たな風を吹かせるイチゴ新品種「CULTA-T3L」
株式会社CULTAは、イチゴの新品種「CULTA-T3L(商標名SAKURA DROPS)」を開発し、これは特に高温環境に強く、品質を保ちながら収穫を行う能力を備えています。この新品種を用いた委託生産実証が、JA西三河にて進行中です。この取り組みは、長年使用されてきた「章姫」をはじめとした古い品種が直面している課題を解決することを目的としています。
高温問題とは
近年、環境の変化や異常気象が頻発する中、特に夏の高温は、いちごの品質や出荷量に深刻な影響を及ぼしています。JA西三河はこれを受けて、新しい品種の導入を試みていますが、柔らかい果皮を持つ既存の品種は輸出に向かない現状も抱えています。
CULTA-T3Lの特性
CULTA-T3Lは、他の古い品種に比べて暑い季節でも品質が維持される特性を持ち、さらには糖度を約40%向上させるなど、実用化に成功しています。この品種を用いることで、農家は収入の安定を図ることが可能となる他、年間を通じた固定価格による全量買取モデルも採用しています。この方法は生産者の利益を高めることを目指しており、持続可能な農業を実現する重要な要素となります。
具体的な取り組みと成果
現在、いちご部会に所属する3名の生産者がCULTA-T3Lの生産に参画しており、試験的に行われた収穫の一部はCULTAによって買い取られています。この果実は既にシンガポールやマレーシア、香港等の海外市場に出荷を開始しており、国際的な拡大を狙った取り組みが進行中です。
さらに、CULTAでは今後の展開として、新たな新品種候補に関する栽培試験も行われています。将来的には、これらの品種を量産し、国内外において流通させることを目指しています。
株式会社CULTAのビジョン
CULTAは、農業スタートアップとして多様な気候に適応可能な高品質の食品を、迅速に開発・販売することを使命としています。これまでの品種改良プロセスは10年かかると言われていましたが、CULTAではわずか3年で4つの新品種の開発に成功しました。
今後、CULTA-T3Lを先鞭に、海外での品種登録を進め、さらにブドウやリンゴ、柑橘類などの高品質品種に加え、コーヒーやバナナにまで事業を拡大する計画が進行しています。これにより、日本発の農作物をグローバル市場へと展開していきます。
結論
「CULTA-T3L」は、農業生産者にとって新しい収益の可能性を提供するだけでなく、高温耐性のあるイチゴという新たな選択肢を消費者にももたらします。今後の成果が期待されるこのプロジェクトは、日本の農業を新たな段階へと進化させる重要な試みです。