京都大学と積水ハウスの共同研究
2024年からの3年間にわたり、京都大学と積水ハウスがタッグを組んで行う共同研究が始まりました。このプロジェクトでは、「住まいにおける子どもと家族との会話によるつながり」の重要性を解明することを目指しています。特に、家族のコミュニケーションが子どもの感性や社会性、幸福感に与える影響に焦点を当てた研究が展開されます。
研究の背景と目的
近年、親子間のコミュニケーションの重要性が広く認識されています。特に、共働き家庭が増える中で、子どもとの会話の機会が減少しているという懸念があります。本研究は、子どもたちが感性や社会性を育む上で、家族との会話がどれほど重要であるかを探求することを目的としています。この共同研究は、積水ハウスの「キッズ・ファースト企業」としての理念にも根ざしており、住まいが育む子どもの成長を支えていくことが期待されています。
プレ調査の結果
研究の第一歩として実施されたプレ調査からは、いくつかの興味深い結果が得られました。調査は、全国の小学校3年生から高校3年生までの子どもを持つ家庭を対象に行われました。その結果、以下のような傾向が明らかになりました:
- - 親とのコミュニケーションに満足している子どもは、幸福感が高い。満足度が高い子どもほど、自身の幸福を強く感じているというデータが示されました。
- - 学齢が上がるにつれ、親との会話量が減少する傾向がある。特に、中高生になると、LINEなどのデジタルコミュニケーションが主流になることが確認されました。
- - 非認知能力の育成においても、親とのコミュニケーションが重要。親との会話が満足度の高い子どもは、知的好奇心や感性などの非認知能力でも高評価でした。
- - 共働き家庭の親も、忙しい中でコミュニケーションを重視。ヒアリング調査では、親子の会話が日常的に行われており、子どもたちが親を良い相談相手と捉えていることがわかりました。
今後の研究の展望
今後の研究では、具体的に「住まいにおける家族の会話スタイル」やそれが子どもに与える影響について、より詳しく分析を行う予定です。さらに、家族が自然と会話を交わせる環境を整えるための住まいの提案についての研究も進められます。
積水ハウスは、この研究を通じて、家庭内でのコミュニケーションが育まれる空間設計を提案することで、より良い住まいの構築を目指しています。この研究成果は、2027年の発表予定です。
まとめ
京都大学と積水ハウスの共同研究は、家族のつながりが子どもの育成に与える影響を深く探る重要な取り組みです。家族とのコミュニケーションが子どもに与える影響が明らかになることで、今後の住まいの在り方にも新たな視点が加わることが期待されています。