イベントの経済効果と成功・不成功の評価:関西大学名誉教授が分析
近年、国や自治体が積極的に関与する大規模なイベントは数多く開催されています。しかし、イベントの成功・不成功の評価は、開催前や開催中の経済効果だけでなく、イベント終了後のレガシー効果まで考慮する必要があると、関西大学名誉教授の宮本勝浩氏は主張しています。
宮本教授は、イベントの経済効果は、直接的な経済効果だけでなく、観光客増加による地域経済の活性化や、イベント開催によって生まれた新しい技術やインフラの活用など、長期的な視点で捉える必要があると説明しています。
具体例として、1964年の東京オリンピック・パラリンピックは、大会終了後約60年間をかけて日本に現在価値で数百兆円の経済効果をもたらしたと推測されています。これは、競技施設の整備や交通網の改善などのインフラ整備が、その後も活用され続けたこと、また、大会を通じて日本の国際的な知名度が向上したことが大きな要因と考えられます。
宮本教授は、イベントの成功・不成功を評価する際には、短期的な経済効果だけでなく、長期的なレガシー効果まで考慮し、イベント開催の意義を多角的に評価する必要があると強調しています。
イベントの経済効果評価の重要性
イベントの経済効果を評価することは、イベントの成功・不成功を判断するだけでなく、今後のイベント開催に向けた計画立案や、地域活性化施策の検討にも役立ちます。
宮本教授は、イベントの経済効果を評価する際には、以下の点を考慮する必要があると述べています。
イベント開催によって生まれた直接的な経済効果
イベント開催によって生まれた間接的な経済効果
イベント開催によって生まれたレガシー効果
イベント開催にかかった費用
* イベント開催によって生まれた社会的な影響
これらの点を総合的に評価することで、イベントの真の価値を理解することができます。
イベントの成功・不成功の判断
イベントの成功・不成功の判断は、必ずしも経済効果だけで決まるわけではありません。イベントの目的や目標、開催された社会的背景などを総合的に考慮する必要があります。
例えば、地域活性化を目的としたイベントであれば、経済効果だけでなく、地域住民の意識や行動の変化なども評価指標として重要になります。また、国際的な交流を目的としたイベントであれば、イベントを通じて生まれた国際的な友好関係や、文化交流なども評価指標として重要になります。
まとめ
イベントの経済効果と成功・不成功の評価は、単に数字だけで判断できるものではありません。長期的な視点に立ち、イベント開催の意義を多角的に評価することが重要です。宮本教授の分析は、イベントを企画・運営する際に、経済効果だけでなく、レガシー効果や社会的な影響なども考慮する必要があることを改めて示唆しています。