女性獣医師を応援!新プロジェクト「Revet」が始動
先日、動物病院の事業承継を支援するXM&A and COMPANYと株式会社THE JUICYが、女性獣医師の臨床復職をサポートするプロジェクト「Revet」を立ち上げました。この取り組みは、国連が定める国際ガールズ・デーに合わせて開始され、特に結婚や出産、育児のために動物病院から離れてしまった女性獣医師に向けた復帰支援を目指しています。
動物病院業界の人材不足
現在、動物病院業界では人材不足が深刻な問題となっています。働き方改革の影響で従業員数を増やす必要があり、院長は長時間勤務を強いられることが多いのです。それに伴い、過労やメンタルヘルスの問題も顕在化してきています。そこで、女性獣医師の活躍がますます求められる時代となっています。
麻布大学の調査によれば、獣医学部学生の約56.8%が女性であり、これは近年の大きな変化です。小学生の「将来なりたい職業」ランキングでは、女子では「獣医師」が常にトップ10に入るなど、若い世代においても獣医師の人気が高まっています。しかし、実際に女性獣医師の就業率は低く、30代になると70%を下回り、その後も上昇することがありません。
女性が抱える復職の不安
出産や育児のために一度現場を離れた女性獣医師が復職することは、さまざまな不安を伴います。彼女たちが抱える共通の懸念として、最新の知識の保持やスキルの低下、職場への復帰についての不安などが挙げられます。インタビューを通じて、実際に現場に復帰することへのハードルがいかに高いかが明らかになりました。
例えば、ある40歳の女性獣医師は、夫の転勤をきっかけに退職したものの、再び臨床に戻るための時間が取れずにいるという苦悩を語っていました。子育て中の家庭では、どうしても時間に制約が生じ、職場との調整が難しい現実があります。このような社会的な構造が、女性獣医師が復帰しづらくする大きな要因となっています。
「Revet」の取り組みとプログラム内容
「Revet」は、これらの課題を解決するために設計されています。プログラムには、臨床復職を希望するお子様がいる元女性獣医師を対象にした5日間の学び直しの機会が含まれています。具体的なプログラム内容としては、動物病院での実習に加え、よくある病気の復習やクライアントコミュニケーション、症例検討に関するワークショップなどを予定しています。
参加者は男女比率が56.8%を誇る獣医学部の学生の中から、数多くの女性獣医師が参加することが期待されています。特に、講義を担当する講師陣は業界の第一線で活躍する方々が揃い、臨床復職に向けた知識を深めることができます。
応募や詳細について
第1期生の応募は2025年10月11日から11月9日まで行われ、定員は10名です。受講するには33,000円が必要で、実習先は都内を中心に30以上の動物病院から選択できるほか、同期の仲間と共に学ぶことで、不安感を和らげる環境が整っています。この「Revet」プログラムは、復職を目指す女性獣医師にとって、まさに新たな一歩を踏み出すための大きなチャンスといえるでしょう。
まとめ
今、動物病院業界の人材不足が叫ばれる中、女性獣医師がキャリアを築きながら、安心して復職できる環境が不可欠です。「Revet」は、そのための取り組みの一環であり、女性獣医師の皆さんが自信を持ち、再び現場で活躍することを後押ししています。出産や育児を経た女性獣医師の力が、動物病院業界にとって欠かせない資源となることを願っています。