みずほFGが全社的なAI開発を推進する「Dify Enterprise」を構築
みずほフィナンシャルグループ(以下みずほ)は、全社的なAI活用を促進するために、「Dify Enterprise」と呼ばれる新たなAI開発環境を構築しました。この取り組みは、金融機関として求められる厳格なガバナンス基準を満たしつつ、現場でのAI活用を加速することを目的としています。
「Dify Enterprise」の背景と目的
日本の金融機関において、生成AIの導入には「AI活用の拡大」と「厳格な統制管理」の両立が求められています。金融庁が公表した「AIディスカッションペーパー」では、モデルリスク管理や顧客保護の重要性が指摘されており、特にハルシネーションや情報漏洩を防ぐための厳格な体制の構築が欠かせません。これらを踏まえると、AI開発が専門部門に限定される伝統的な構造から脱却する必要があります。
このような背景の中、みずほは「Dify Enterprise」を利用し、業務を最も理解している現場が自らAIを開発・改善できる環境を整えました。これにより、現場のニーズに即したソリューションの提供が可能になり、業務効率化を図ることが期待されています。
統制管理基盤の整備
新たに構築された「Dify Enterprise」では、部門ごとのアクセス権制御やシングルサインオン(SSO)機能、利用ログの取得などを通じて、AI利用の可視化や証跡管理が実現されています。これにより、従来、デジタル戦略部に限定されていたAIエージェント開発のノウハウを、セキュリティを保ちながら全社に展開することができます。金融機関特有の厳格な統制と、現場主導のアジリティという相反する要素を両立させたのがこの取り組みの特長です。
実証実験の成功事例
5月上旬より各部門での試験運用が開始され、法人営業部門では制度融資の選定や提案を支援するAIエージェントが実施されました。平均41.8%の業務時間短縮が実現し、特に若手社員は52.2%の時間短縮を達成。この成果は、業務効率化だけでなく、若手社員の成長にも寄与すると期待されています。
また、法人営業部門以外でも、産業調査部や人事部においてもそれぞれのニーズに応じたAI活用の設計・実装が進行中です。産業調査部では、AIによる情報収集やアナリストの思考支援が広がり、人事部では個人に最適なキャリア支援が行われる見込みです。
未来の展望
みずほは今後も高いガバナンス基準を維持しつつ、現場の業務をより高度にサポートする環境づくりを進めていく方針です。「Dify Enterprise」を通じて、金融業界のみならず、幅広い日本の企業に新たなAI活用のモデルケースを提供できるよう取り組みを加速させていきます。
会社情報
株式会社みずほフィナンシャルグループは、「ともに挑む。ともに実る。」というビジョンのもと、法人・個人・グローバル向けの総合的な金融サービスを展開しています。デジタルやサステナビリティの分野にも注力し、持続可能な社会の実現を目指しています。
今後も、みずほフィナンシャルグループはAI技術を活用し、変化する社会に寄り添いながら、お客様と共に新しい未来を築いていくことに挑戦していきます。