古生物のカルテ
2025-04-28 14:00:22
新刊「古生物のカルテ」が描く恐竜たちの悲劇と栄光
古生物のカルテが語る恐竜たちの物語
新たな視点で恐竜の世界を楽しむことができる一冊が登場しました。技術評論社から出版された「古生物のカルテ~古病理で楽しむ化石の世界~」は、岡山理科大学の恐竜学科の林昭次准教授らが監修を担当し、古生物の病理をテーマにしています。
この本では、化石を通して恐竜たちがどのような病気や怪我を抱えていたか、さらにはその影響を考察しています。その内容は、幅広い世代の読者を対象とし、恐竜好きな親子にとって夢中になれる要素が満載です。目次はまるで病院の受付のようで、整形外科、内科、呼吸器科、歯科、感染症科という五つの章に分かれています。
整形外科の章では、ティラノサウルスの化石に残された六つの外傷のケースを写真とともに紹介しています。特に「自分と同サイズのティラノサウルス類による噛み跡」という考察が興味深いところです。これらの傷は、異性を巡る争いや生存競争の結果として理解され、恐竜たちのリアルな生態が垣間見える瞬間です。
また、呼吸器科の章で語られる羽毛恐竜・アンキオルニスの悲劇も衝撃的です。彼は食べたトカゲを吐き出そうとして、気道が詰まり、命を落としてしまったとされています。このように、実際の恐竜の生活に迫る内容が詰まっています。
さらに、感染症科では大型の竜脚類ティタノサウルスの例が取り上げられ、骨髄炎に苦しんでいたことが記されています。こうした詳細な解析を通じて、古生物の病理に関する新たな見解が提示されています。
著者であるサイエンスライターの土屋健さんは、恐竜の病理に特化したこの本は日本初の試みだと評価しています。林准教授は「古生物の病理に注目した日本初の一般向けの本です。絶滅生物に残された傷跡や病気の痕跡から、太古の生き物たちのリアルな生きざまが見えてくるはずです」とコメントしています。
本書はA5判の176ページで、定価は3,960円(税込)。5月2日から販売が開始され、これからの展開にも期待がかかります。この本を通じて、私たちは過去の生き物たちの物語を楽しむことができるとともに、生命の営みに思いを馳せる機会ともなるでしょう。
岡山理科大学の恐竜学科は、化石の学びだけでなく、生物学や地質学の観点からも恐竜を探求する場を提供しています。また、実習やフィールドワークを通じて、現代社会の様々な課題についても考える機会を提供しています。
古生物の不思議な世界を楽しむために、この「古生物のカルテ」を手に取って、その知識を広げる旅に出かけてみてはいかがでしょうか。恐竜たちの過去の生き様が、あなたの新たな発見をもたらすかもしれません。
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学校法人加計学園
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