三菱UFJ信託銀行とユーグレナ社が新たな出資契約を締結
三菱UFJ信託銀行株式会社と株式会社ユーグレナは、環境に優しいバイオ燃料プロジェクトを促進するために重要な契約を結びました。この契約は、ユーグレナ社が設立した海外特別目的会社Euglena Sustainable Investment Limited(ESIL)が発行する優先株式への出資を含み、最大30百万米ドルの投資が予定されています。
環境への貢献
現在、地球規模での気候変動問題が深刻化している中、航空機の燃料として使われる持続可能な燃料(SAF)の重要性が高まっています。日本政府は、2030年までに国内の航空燃料消費量の10%をSAFで賄うという目標を掲げています。このプロジェクトは、三菱UFJ信託銀行がユーグレナ社と共に、マレーシアでのバイオ燃料製造プラントの建設及び運営を通じて、SAFの供給網を確立することを目指しています。
三菱UFJ信託銀行は「人をつなぐ。未来をつなぐ。」というコーポレートメッセージの下、さまざまな社会的課題の解決に取り組んでいます。その活動の一環として、国内外での新技術の推進に資するリスクマネーを供給し、持続可能な未来の実現に貢献することを目指しています。
日本の脱炭素化への貢献
本契約は、将来の供給不足が懸念される日本国内におけるSAFの権益を確保し、普及を図るものです。三菱UFJ信託銀行は、万が一の需要増に備えて、日本のインフラ設備に投資するファンドも計画し、未成熟なインフラ領域における新たな投資機会を提供していく方針です。
ユーグレナ社は、マレーシアのPETRONAS社やイタリアのEnilive社と共同でこのプロジェクトを推進しています。彼らは2024年12月までに、マレーシアの合弁会社への出資比率を最大15%まで引き上げる見込みです。これにより、年間約10万KLのバイオ燃料を扱う計画です。
プロジェクトの詳細
以下がプロジェクト概要です。
- - 運営主体: Pengerang Biorefinery Sdn. Bhd.(合弁会社)
- - 建設地: PETRONAS社のPengerang Integrated Complex内
- - 製品: SAFと次世代バイオディーゼル燃料(HVO)
- - 原料: 使用済み植物油などの廃棄物、微細藻類由来の藻油
- - 原料処理能力: 約65万トン/年
- - 製造能力: 最大12,500バレル/日
今後の展望
三菱UFJ信託銀行の社長、窪田博氏は「サステナブル投資を通じて環境や社会にポジティブな影響を与えるプロジェクトを支援しています。今回のプロジェクトは、日本の脱炭素化に寄与し、ユーグレナ社との協働を光栄に思います」と述べています。
一方、ユーグレナ社の社長、出雲充氏は「人と地球を健康にする」を企業理念に掲げ、サステナビリティを軸とした事業展開を行っています。彼は、三菱UFJ信託銀行との連携を通じて、より多くのバイオ燃料を日本に供給し、脱炭素社会を実現することを目指しています。
このように、今回の提携は、日本のエネルギー政策に重要な影響を与え、その持続可能な未来に向けた大きな一歩となることが期待されています。