ゼロから始めるTCP/IPプロトコルスタック自作の新たな挑戦

新刊紹介：ゼロからのTCP/IPプロトコルスタック自作入門

株式会社マイナビ出版が、2025年11月21日に新しい技術書『ゼロからのTCP/IPプロトコルスタック自作入門』をリリースします。この書籍は、エンジニアとしての基礎知識を強化し、ネットワーク機能を自作するための貴重なリソースです。著者はKLab株式会社の山本雅也氏で、同氏はセキュリティ・キャンプの講師を務めてもおり、ネットワークプログラミングを深く掘り下げた経験を持っています。

ネットワーク技術への理解を深める

近年、ネットワーク技術の進化は目覚ましく、その結果、エンジニアの多くはOSやミドルウェアに依存した環境で作業することが一般的になっています。しかし、その一方で、通信技術の基礎を理解している技術者は減少の一途を辿っています。これが、低レイヤーの知識が必要とされる場面が増加している理由です。本書は、複雑な通信プロトコルに対する理解を深める助けとなるでしょう。

ステップバイステップの実装方法

本書の最大の特徴は、プロトコルスタックを自分の手で作成することができる点です。書籍は全30ステップに分かれており、着実にプロトコルスタックを完成させる計画が立てられています。毎日1ステップ、進めることで、約1か月で実際に動作するTCP/IPプロトコルスタックに到達します。ステップの内容は、ネットワークデバイスの管理からデバイスドライバの実装、さらにIPやTCPの詳細な処理にまで及びます。

様々な環境への応用

本書では、Linuxのユーザ空間で動作するプロトコルスタックを開発しますが、それだけでなく、教育用OSや自作OSのカーネルへの移植にも成功しています。これにより、読者は自分の環境に合わせた柔軟なアプローチが可能になります。

誰に向けた書籍か

本書は「コンピューターのしくみを深く知りたい」と思っている全ての方を対象としています。ただし、TCP/IPに関する初歩的な知識は扱っていないため、入門書を副読本として併用することを推奨します。また、プログラムコードはC言語で記述されており、C言語での開発経験があることが望ましいです。システムプログラミングに関する基礎知識も必要となります。

書籍情報

この書籍は、608ページのボリュームで、価格は3,938円（税込）です。ISBN番号は978-4-8399-81242で、AmazonやマイナビBOOKSで購入可能です。この書籍は単なるマニュアルではなく、読者自身が手を動かしながら学ぶことを重視した内容となっているため、実践的なスキルを身につけたいエンジニアにとって、非常に価値のある一冊となるでしょう。