東北新社、ゲーム体験を支える音を響かせる
株式会社東北新社が、2025年8月にドイツ・ケルンで開催される世界最大級のゲームイベント「gamescom 2025」に初めて出展することが決まりました。これは、60年以上にわたる音響制作の技術と実績をもって、欧米市場での認知を深化させるための重要な一歩です。
出展の背景と目的
東北新社は、音響字幕制作部門が、外国映画やドラマの日本語吹替や字幕制作だけでなく、多くのゲーム作品における音響制作でも高いクオリティを誇ります。近年では、話題作の『ファイナルファンタジーXVI』や『モンスターハンターライズ』などの音響制作も手掛けており、業界内での評価も著しく向上しています。この出展は、そうした実績を基に、欧米のゲームメーカーとの新たなパートナーシップを築くことを目指しています。
音響制作の魅力を伝えたい
音響字幕制作事業部の事業部長、岡野晃二氏は、「私たちはゲーム音響制作に約30年携わってきた。多くのジャンルのタイトルに触れ、その中で蓄積した経験を大切にしています。今回の初出展により、海外のゲーム会社にもその制作力を知っていただき、ゲームのストーリーに命を吹き込むお手伝いをしたいと考えています」と意気込みを語ります。これは、特に日本のゲーム業界が世界で評価されている現状を反映した動きであり、冷静な観察と戦略的な展開がうかがえます。
ゲーム・アニメ音響制作センターの設立
さらに、東北新社は2025年4月に「ゲーム・アニメ音響制作センター」を新設し、ゲームとアニメに特化した音響制作の専門組織を形成しました。このセンターの設立により、多言語対応のスタッフを増員し、ローカライズやシナリオ制作にスピーディーに対応しています。これにより、国際的なゲーム市場でのニーズにも迅速に応えることが可能になっており、これからの展望が広がります。
音響制作の実績が物語る信頼性
2024年度の実績として、年間制作本数は3,644本に上り、その中に約550本のゲーム関連制作が含まれています。声優キャスティングでは、延べ24,557名のキャストを起用しており、具体的な作品も幅広く手掛けています。
ゲームにおいては、『SILENT HILL 2』や『ファイナルファンタジーXVI』を含む多くの著名タイトルの音響を担当し、アニメや外国映画でもその実力を展開しています。
結びに
「gamescom 2025」を通じて、東北新社は欧州のゲーム市場における存在感を強化し、新たなビジネスチャンスを創出していく意向です。音響という重要な要素がゲーム体験に与える影響は大きく、これからの展開が非常に楽しみです。音楽と効果音を通じて、プレイヤーが物語に没入できる環境を提供することが、今後の目標となるでしょう。