牛乳石鹸がオレンジイノベーション・プロジェクトに参画
経済産業省が推進する「オレンジイノベーション・プロジェクト」に、牛乳石鹸共進社株式会社が実践企業として名を連ねています。このプロジェクトは、認知症になっても自分らしく生活できる「共生」社会の実現を目指しています。牛乳石鹸は、認知症当事者と共に新製品やサービスを創造する活動に取り組んでおり、その一環として開発が進んでいるのがポータブル洗髪機と洗浄剤の『YUAGARI』です。
認知症当事者との共創
『YUAGARI』は、認知症の方々が入浴時により快適に過ごせるサポートを目的として設計されています。牛乳石鹸の新規事業室では、現在このプロトタイプを認知症当事者やそのご家族に実際に使用してもらい、フィードバックを得ています。彼らの声を基にして、製品を改良しながら真のニーズを把握することが重要です。
オレンジイノベーション・プロジェクトとは
このプロジェクトでは、認知症の方々が企業や社会と関与し、共に新たな製品・サービスを開発する「当事者参画型開発」を推進しています。2022年には約443万人が認知症と診断され、2040年にはその数が584万人に達すると推計されています。これに対応するために、企業が認知症当事者のニーズを反映した製品開発を行う重要性が増しています。
『YUAGARI』のコンセプト
『YUAGARI』は「いつでもどこでも心地よい清潔を提供する」をコンセプトにしています。髪や頭皮の不快感を軽減し、お風呂に入ったような快適さを提供するために設計されています。特に、一人でお風呂に入ることが難しい方や寝たきりの方に向けた洗髪パーツも考慮されており、簡単に使用できる仕組みを追求しています。
牛乳石鹸の取り組み
牛乳石鹸の新規事業室は、2020年に設立され、「30年後の事業の柱を構築する」という目標のもと、幅広い製品開発に挑んでいます。企業のミッションである「美と清潔、そして健康づくりにお役立ち」という理念に基づき、特に「お風呂に入れない」や「水が使えない」といった環境においても価値を提供し続けることを目指しています。高齢者向けのボディ&ヘアケアシリーズ「ツナグケア」も展開し、新たな領域への挑戦が続いています。
まとめ
牛乳石鹸が進める『YUAGARI』の開発は、単に製品を提供するのではなく、認知症当事者との共創を通じて真のニーズをとらえることを目指しています。このような取り組みが広がることで、共生社会の実現に向けた一歩となり、市場全体がより良い方向へと導かれることが期待されています。なくてはならない企業活動として、これからの展開にも注目が集まります。