革靴買取「LASTLAB」が生成AIによる業務支援プログラムを導入
東京都新宿区を拠点とするリユース企業、ストックラボが運営する革靴専用ブランド「LASTLAB」は、生成AI「Claude 3.5 Sonnet」をフル活用して、バイヤー業務の効率化を目指す実験をスタートしました。この取り組みは、業務プロセスの改善とともに、顧客体験の向上をもたらすことを目指しています。
高級革靴の特性と業務上の課題
高級革靴には、それぞれ独自の「エイジング」や「コンディション」があり、各靴の価値を正確に伝えるためには、ただの製品情報だけでは不十分です。これらの“一点物”の靴は、使用された経年や前オーナーの手入れによって特有の魅力を持ち、情緒的かつ専門的な説明が求められます。しかし、熟練したバイヤーが行うこれらの業務は、時間と手間を要するため、効率化が必要とされています。
効率と情熱のジレンマ
バイヤーが熱意をもって靴の魅力を紹介しようとすればするほど、相応の時間がかかり、効率を求めるとその熱が伝わりにくくなるというジレンマがあります。これによって製品の出品スピードが遅れ、在庫回転率に悪影響を及ぼしているのです。
リソースの圧迫と機会損失
また、革靴の買取に関する専門的な知識が求められる「ささげ業務」は工数を大幅に増やします。これによって、バイヤーが本来注力すべき「靴の鑑定」や「お客様対応」が後回しになり、結果的に全体の生産性が低下してしまいます。
言語の壁による越境ECの課題
さらに、海外からの購買需要が高まる中、高級靴特有の専門用語や感覚的な表現は、自動翻訳ツールでは正確に伝えにくいという問題が存在します。このため、靴の文化を理解した上での翻訳が求められており、これを改善するために生成AIを導入することが決定されました。
新しい買取体制構築のための3つのステップ
ストックラボでは、AIを利用した自動化を通じて、具体的に以下の3つの領域を検証します。
1.
商品紹介文の自動生成: バイヤーが入力した情報に基づき、AIがその靴の歴史や特徴を考慮した文章を生成。作業時間の85%削減を目指します。
2.
海外EC向けの専門用語ローカライズ: 国ごとに異なる靴の表記や説明を適切に翻訳し、海外の顧客への正確な情報提供を図ります。
3.
LINE問い合わせへの返信ドラフト作成: 過去のデータを活用し、顧客の知りたい情報に対して迅速かつ的確な返信ができるかをテストします。
代表コメント
株式会社ストックラボの代表、尾太駿氏は、「高級革靴の魅力はその背景にこそあり、AIには難しい領域だと思っていましたが、技術の進化により可能性が広がっています。私たちはAIにできる業務を任せ、バイヤーはお客様との対話を重視することで、『アナログな価値提供』の形を追求していきます」と述べています。
会社情報
株式会社ストックラボ
- - 設立日: 2014年4月25日
- - 所在地: 東京都新宿区新宿2-12-16 セントフォービル203
- - 事業内容: リユース事業及び買取
ストックラボは、革靴やお酒の買取・販売を通じて価値を再発見することに注力しています。ネットサービスとリアル店舗両方で必要な商品を届ける体制を整え、高価買取が可能な仕組みを提供しています。