緊縛の美を語る一冊
日本古来の緊縛文化が、近年「KINBAKU」として世界的に評価されています。その中で、緊縛師・奈加あきらは特に注目を集めています。この魅力的な世界を、団鬼六賞を受賞した作家・花房観音が新作『縄 緊縛師・奈加あきらと縛られる女たち』で描き出しました。
緊縛というアート
もともと特殊な嗜好の一環として密かに楽しまれていた緊縛が、今やアートとして高く評価され、男女問わず「縛りたい」「縛られたい」との声が広がっています。特に奈加あきらは、その過酷な縛り方「NAKA STYLE」で圧倒的な人気を誇り、全世界のファンから熱烈に支持されています。彼のワークショップやショーは常に完売するほどの人気を持ち、緊縛の魅力を広める重要な役割を担っています。
奈加あきらの半生
奈加あきらは1951年、新潟で生まれました。彼は幼少期から苦しい環境を過ごし、さまざまな試練を乗り越えてアウトローの道に進みました。その後、伝説の緊縛師である濡木痴夢男のもとで学び、時を経て自身のスタイルを確立しました。彼の人生は、まるで月岡芳年や伊藤晴雨の残酷な絵画のような波乱に満ちています。
縛られる女性たちの視点
本書では、奈加あきらが縛るさまざまな女性たちの素顔にも迫ります。緊縛モデルの彼女たちは、縄で縛られることで解放を感じると言います。「奈加あきらになら、命をかけてもいい」と語る彼女たちの言葉からは、単なる快楽ではない、より深い絆や信頼を感じさせます。このような視点こそが、緊縛の新たな側面を浮かび上がらせます。
花房観音の描く日本のSM/緊縛史
著者の花房観音は、過去に官能小説やホラー小説での成功を収めており、今回の作品でも奈加あきらの人生を通じて日本のSM/緊縛史を丁寧に紐解いていきます。全編書き下ろしとなっており、その内容は緊縛アートの歴史と文化を一層深く理解させてくれます。
まとめ
『縄 緊縛師・奈加あきらと縛られる女たち』は、2024年2月17日に全国書店および電子書店で発売される予定です。定価は2,980円(税込)で、特にコデックス装による美しい造本と、カラーグラビア16ページが収められた一冊です。緊縛の美、そしてその背後にある文化や歴史を知りたい方に、ぜひ手に取ってほしい作品です。